店舗覆面調査のメディアフラッグ<6067>(東マ)の株価は徐々に下値を切り上げる展開だ。20年東京夏季五輪開催も追い風であり、本格出直りのタイミングが接近している。
店舗・店頭に特化して流通・飲食チェーンや消費財メーカーのマーケティング活動を支援する企業だ。覆面調査サービスなどでチェーンストアの店舗活性化を支援する流通支援事業、店舗巡回サービスなどで消費財メーカーの店頭強化を支援する営業支援事業を主力として、店舗・店頭の状況をデータベース化する独自ソフトウェアを提供するASP事業、コンビニエンスストアなどを運営するストア事業も展開している。
顧客の業種は多岐にわたり、顧客のリピート契約率は約9割に達している。世界的なスポーツ用品メーカーのアディダスを主要顧客としており、20年東京夏季五輪開催も追い風となる。また覆面調査サービスなどに携わるメディアクルーの登録数は13年6月末時点で全国17万人超に達している。
中期目標値として4年以内に売上高100億円を目指して、さまざまな業種・業態に対応して業容を拡大する方針だ。シニア層のマーケティングデータを収集するシニアマーケティング事業、全国のメディアクルーを活用したクラウドソーシング事業、小売・飲食店舗などの受託運営事業、流通・小売企業に特化した事業再生事業も拡大する。
さらにM&Aも積極活用している。8月には関西で推奨販売事業を展開するキャビック、9月には覆面モニターポータルサイト「ファンくる」や時間帯別レストラン・居酒屋クーポンサイト「ぐるリザ」を運営するROIを子会社化した。海外は中国・ASEAN地域へ積極展開する方針だ。
今期(13年12月期)連結業績見通しは、売上高が前期比16.1%増の32億62百万円、営業利益が同23.6%増の2億38百万円、経常利益が同28.6%増の2億31百万円、純利益が同24.2%増の1億27百万円としている。流通支援事業では地方銀行や郵政事業の覆面調査関連など、営業支援事業では消費財メーカーの新商品販売関連などの新規受注が高水準だ。
通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率はやや低水準だが、第2四半期累計の営業利益が計画を上回ったこと、クリスマス・年末年始商戦に向けて第4四半期(10月〜12月)の売上構成比が高いこと、さらに子会社化したキャビックとROIの新規連結なども考慮すれば好業績が期待される。
株価の動きを見ると、8月以降は概ね450円〜550円近辺のレンジでボックス展開のようだ。足元はレンジ内で水準を切り下げる動きだったが、10月8日には前日比28円(5.67%)高と急反発する場面があり、下値を切り上げる動きとなった。
10月9日の終値500円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS30円19銭で算出)は16〜17倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS174円13銭で算出)は2.9倍近辺である。週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げて、26週移動平均線を回復する動きを強めている。下値固めが完了して本格出直りのタイミングが接近しているようだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月09日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】メディアフラッグは下値確認、東京五輪追い風に本格出直り
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:01
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