電設資材商社のトシン・グループ<2761>(JQS)の株価は水準を着実に切り上げる展開だ。足元では短期調整も一巡して動意のタイミングが接近している。
首都圏を中心に電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開する持株会社である。消費増税前の住宅着工増加が追い風であり、取扱商品や営業拠点網の拡充などで事業基盤も強化している。
10月4日に発表した今期(14年5月期)第1四半期(5月21日〜8月20日)の連結業績は、前年同期比4.0%増収、同11.3%営業増益、同8.9%経常増益、同5.2%最終増益だった。LED照明などの省エネ関連商品に加えて、猛暑を背景にエアコンの需要が好調だった。粗利益率はやや低下したが、経費削減効果などで増収増益だった。
通期の見通しは前回予想を据え置き、売上高が前期比4.1%増の450億円、営業利益が同8.6%増の26億50百万円、経常利益が同7.0%増の35億10百万円、純利益が同0.1%増の19億80百万円としている。公共投資の増加、新設住宅着工戸数の増加、企業設備投資の回復に加えて、北関東での営業拠点網拡充効果も寄与する。通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.3%、営業利益が24.5%、経常利益が23.3%、純利益が22.0%であり、概ね順調な進捗だろう。
8月5日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限60万株、取得価額総額の上限15億円、取得期間13年8月6日〜14年7月31日)については、9月30日時点累計で取得株式総数1万7100株、取得価額総額4098万1100円となった。また10月8日には、自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって9700株を取得した。
株価の動きを見ると、2200円〜2300円近辺のモミ合いから上放れて水準を切り上げ、8月19日に2479円、9月6日に2449円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが、大きく下押す動きは見られず概ね2350円〜2400円近辺で堅調に推移している。
10月9日の終値2350円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS202円38銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3241円85銭で算出)は0.7倍近辺である。
週足チャートで見ると、13週移動平均線と26週移動平均線を突破して強基調に転換している。足元では短期調整が一巡して動意のタイミングだろう。指標面に割高感はなく、需給面での自己株式取得も支援材料であり、5月の高値2650円が視野に入る。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月09日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トシン・グループは5月高値挑戦前の値固め進む、4日公表の第1四半期好調
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 16:05
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