
調整を短期間で終えることができたのは、(1)週前半にNYダウが安い中で日本のマーケットがNYダウ安の影響をほとんど受けなかった、(2)好調が予想される9月中間期決算の発表が接近している――ことが挙げられる。
NYダウの影響を日本が受けなかったのは、(1)アメリカは与野党の対立で予算は遅れているものの、デフォルトにまでは行くことはないだろうとの楽観的な見方が強かった、(2)アメリカは金融緩和が終了段階にあるが、日本はこれからが本番である。しかも、アメリカのように金融緩和効果のあとに景気・企業々績の上向きが期待できる、ということがある。即ち、相場性格的には、アメリカが金融相場を終え業績相場の円熟期にあるのに対し、日本は金融相場の真っ只中にあり、この先、もっともおいしい『業績相場』が控えているというわけだ。
まず、この9月中間期業績では、金融緩和による→「円安」の効果が期待される。とくに、第1四半期(4〜6月)では、円安効果が為替の金額面に寄与、第2四半期では数量面に効果が期待されるものとみられるからだ。
第2四半期の発表は11月に入ってから本格化するが、10月21日(月)からの週には中堅どころの発表が予定されている。決算発表の早いところは総じて好調なところが多いだけに株価にプラスとなる。
たとえば、10月1日に早々と9月中間決算を発表したあみやき亭(2753)は営業利益が前年同期比38.5%増益と好調で通期予想の増額修正も行った。もちろん、株価は急伸している。
ただ、問題は主力の優良銘柄である。気になるのは11月中は、まだ信用買い6ヶ月期日が残っているため、とくに、信用買残の多い主力優良株については、これから発表される業績が事前の期待数値をかなり上回るものでないと失望売りとなる可能性が否定できない。その場合は、11月にいったん下げてから需給関係の好転を待って年末年始高になるものとみられる。
こうしたことから、年末年始までを睨んだ日経平均は、中期的には上値指向とみられるものの、9月中間期決算発表が本格化するまでは一気に上値追いとはならないだろう。来週は、せいぜい1万5000円奪回があれば上出来だろう。好業績のシコリのない銘柄が活躍の中心になるものとみられる。
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!