人材サービスのエスプール<2471>(JQS)の株価は急騰後の反動調整局面で、第3四半期累計(12年12月〜13年8月)業績も嫌気されたようだが、足元で調整一巡感を強めている。ネット通販市場拡大も追い風に好業績見通しであり、再動意の可能性があるだろう。
アウトソーシング関連のビジネスソリューション事業(ロジスティクスアウトソーシング、キャンペーンアウトソーシング、障がい者雇用支援サービスなど)、人材派遣関連の人材ソリューション事業(販売・営業支援、オフィスサポート、試験運営サポートなど)、および13年4月に開始したマーチャンダイジングサービス事業を展開している。
ロジスティクスアウトソーシングはネット通販市場の拡大が追い風であり、ECサイト出店企業などの物流センター運営・発送代行で新規顧客獲得を推進している。障がい者雇用支援サービスは、障害者雇用促進法に基づいて大企業の障がい者雇用をサポートするもので、企業向け賃貸農園「わーくはぴねす農園」の栽培設備販売収入と農園運営管理収入が収益柱である。競合企業が不在のため、高付加価値サービスとして千葉県を中心に事業規模を拡大している。
放射性物質の除染業務については、ジャパンベストレスキューシステム<2453>の子会社で、新種微細藻類による水処理設備で放射性物質の道路除染を手掛けるバイノスから、福島県郡山市で道路除染業務を受託している。10月からは福島市での業務も開始する。
10月4日発表の今期(13年11月期)第3四半期累計の連結業績は前年同期比6.2%増収、同85.1%営業増益、同2.2倍経常増益、同6.1倍最終増益だった。第3四半期(6月〜8月)には、ネット通販に特化した発送代行サービスの茨城県「つくばEC物流センター」開設費用、障がい者雇用支援サービスの新農園建設費用が発生して利益圧迫要因となったが、累計ベースでは大幅増益だった。
通期の見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比6.5%増の52億62百万円、営業利益が同65.8%増の80百万円、経常利益が同2.2倍の66百万円、純利益が50百万円(前期は30百万円の赤字)としている。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.1%、営業利益が68.8%、経常利益が66.7%、純利益が68.0%である。ロジスティクスアウトソーシングの事業規模拡大や生産性向上、好採算の障がい者雇用支援サービスの事業規模拡大などで、通期ベースでも好業績だろう。
株価の動きを見ると、急騰して付けた9月11日の年初来高値2197円から急反落した。さらに第3四半期累計業績も嫌気する形となって、10月8日には直近安値となる941円まで調整した。ただし足元では下げ渋る展開となり概ね1000円近辺で推移している。
10月18日の終値1014円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS19円47銭で算出)は52倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS55円18銭で算出)は18倍近辺である。週足チャートで見ると右肩上がりの13週移動平均線が接近して調整一巡感を強めている。福島県での除染関連という材料性に加えて、ネット通販市場の拡大を追い風として中期成長が期待されるだけに、再動意の可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月21日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスプールは下値固める、1000円前後が10営業日、再動意
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43
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