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2013年10月21日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】久世はモミ合い上放れの動き、指標面の割安感に見直し余地

 業務用食材卸の久世<2708>(JQS)の株価はモミ合い展開だが、徐々に水準を切り上げて上放れの動きを強めている。指標面の割安感に見直し余地があり、モミ合い上放れて5月の高値圏へ回帰する動きが本格化しそうだ。

 首都圏を地盤として外食・中食産業向け業務用食材の卸売事業を展開し、大手飲食チェーンなども主要顧客としている。子会社のキスコフーズは国内(静岡市)とニュージーランドで業務用高級ソース・高級スープの製造、久世フレッシュワンは東京都内で生鮮野菜など農産品の卸売を手掛けている。

 中期経営計画では、創業85周年の20年3月期に売上高1000億円、営業利益20億円を目指し、重点戦略として首都圏・関西圏・中京圏での販路拡大や全国ネットワーク強化、中食市場や高齢者施設給食市場の開拓強化、PB商品の拡販や製造利益の拡大、そして海外事業の基盤確立などを掲げている。M&Aや提携などのアライアンス戦略も積極化するようだ。中京圏では12年6月に酒類販売大手サカツコーポレーションと業務提携した。

 今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比7.0%増の600億円、営業利益が同2.9%増の5億60百万円、経常利益が同0.3%増の7億円、純利益が同0.6%増の3億70百万円としている。円安による原材料・商品仕入れ価格の上昇、増収に伴う物流費の増加、人員増に伴う人件費の増加が利益圧迫要因だが、販売面では既存顧客との取引量増加や新規顧客の獲得などで好調に推移している。

 さらに、原材料・商品仕入れ価格の上昇に対して販売価格への転嫁を進めており、期後半に向けて収益改善が期待されるだろう。なお11月11日に第2四半期累計(4月〜9月)の業績発表を予定している。

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値圏770円近辺から反落し、8月中旬以降は概ね700円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だ。ただし足元では徐々に水準を切り上げている。煮詰まり感を強めてモミ合いから上放れる動きのようだ。

 10月18日の終値724円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS95円38銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1184円88銭で算出)は0.6倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって、水準切り上げの動きを強めている。指標面で低PER、低PBRという割安感に見直し余地があり、モミ合い上放れて高値圏へ回帰する動きが本格化しそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47 | アナリスト銘柄分析