ワイヤレス・ブロードバンドサービスを展開するワイヤレスゲート<9419>(東マ)の株価は、出直りが本格化して7月の戻り高値を突破した。今期(13年12月期)好業績見通しや中期成長力を評価して、5月高値を試す動きだろう。
通信事業者からインフラを借り受けてワイヤレス・ブロードバンドサービス(Wi−Fi、WiMAX)を提供している。月額有料会員数の積み上げによって収益が拡大するストック型収益構造で、13年6月末時点の会員数は38万人を突破した。
重点戦略としてサービス提供エリア数拡大、販売チャネル数拡大、サービス拡充を掲げ、販売チャネル数はヨドバシカメラでの販売、住友商事<8053>との業務提携による最大手携帯販売会社ティーガイア<3738>での販売に加えて、取扱携帯販売会社を増やす方針だ。サービス拡充では、13年6月にオプションサービス第1号として「電話リモートサービス」の提供を開始した。追加オプションサービスも検討して、ARPU(顧客1人当たり売上高)向上や顧客基盤拡大につなげる。
今期の連結業績見通しは売上高が前期比27.6%増の70億17百万円、営業利益が同34.1%増の8億円、経常利益が同39.0%増の8億円、純利益が同9.4%増の4億63百万円としている。販売チャネル数拡大などの効果で会員数の増加ペースが加速し、6月開始のオプション「電話リモートサービス」の売上も想定以上のようだ。
さらに、通期見通しには期中の新販売チャネルや追加オプションサービスを織り込んでいないこと、ストック型の収益構造であることなども考慮すれば、通期上振れの可能性があるだろう。なお11月6日に第3四半期累計(1月〜9月)の業績発表を予定している。
株価の動き(9月1日付で株式2分割)を見ると、8月28日に付けた直近安値2210円をボトムとして反発し、出直り歩調の展開となった。9月下旬の2800円近辺から一旦は2500円台まで反落したが、足元では切り返す動きだ。10月18日には3030円まで上伸する場面があり、7月23日の戻り高値3000円を突破した。中期成長力を評価する動きだろう。
10月21日の終値2969円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS93円89銭で算出)は32倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は1.7%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS314円23銭で算出)は9倍近辺である。
日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するプラス乖離率が広がり、やや過熱感もあるが、7月の戻り高値を突破して出直り本格化の動きだ。今期好業績見通しや中期成長力を評価して、5月の高値3350円を試す動きを強めるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月22日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ワイヤレスゲートは出直り本格化、権利落後の強さ抜群
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