クリエイティブ分野のエージェンシー事業を主力とするクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は調整一巡感を強めている。子会社の不祥事を嫌気した売りが一巡し、好業績を評価する動きが強まるだろう。
クリエイティブ分野では映像・TV、ゲーム、Web、広告などの分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業、制作請負事業、電子書籍関連事業、アジア市場向け出版エージェンシー事業などを展開し、韓国のクリエイティブ分野や、医療・IT・法曹・会計分野のエージェンシー事業にも領域を広げている。さらに新分野として建築関連やファッション関連のエージェンシー事業も展開する方針だ。テレビ番組制作やSNSゲーム開発など、プロフェッショナルに対するニーズは拡大基調が予想される。
10月10日発表の今期(14年2月期)第2四半期累計(3月〜8月)連結業績は前年同期比23.0%増収、同23.1%営業増益、同23.1%経常増益、同81.7%最終増益だった。映像・TV、ゲームなどの好調でクリエイティブ分野(日本)が同23.9%増収、クリエイティブ分野(韓国)が同32.8%増収と好調で、医療分野も同28.5%増収と好調だった。
なお9月27日に公表した「連結子会社リーディング・エッジ社の不適切な取引および会計処理に関する内部調査報告」に基づいて、10月10日に過年度(12年2月期、13年2月期、および14年2月期第1四半期)決算短信の一部を訂正して公表した。ただし今期業績への影響は限定的としている。
通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比14.1%増の200億円で、営業利益が同20.9%増の12億円、経常利益が同15.9%増の12億円、純利益が同64.4%増の5億50百万円としている。主力のクリエイティブ分野の好調が牽引する。通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が52.5%、営業利益が61.8%、経常利益が61.9%、純利益が60.0%と高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。
株価の動き(3月1日付で株式100分割)を見ると、8月30日に公表した連結子会社の不適切な取引と会計処理を嫌気して、9月2日には年初来安値となる354円まで急落した。しかし、その後は420円〜430円近辺まで戻して9月2日に空けた窓を埋め、足元は概ね400円近辺で推移している。不祥事を嫌気した売りが一巡して出直り態勢のようだ。
10月21日の終値411円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は16倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は1.0%近辺、実績PBR(訂正後の前期実績連結BPS162円60銭で算出)は2.5倍近辺である。
週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んで調整局面だが、下値を徐々に切り上げている。また日足チャートで見ると10月11日に430円、10月21日に421円まで上伸する場面があり、75日移動平均線を回復する動きを強めている。不祥事を嫌気した売りが一巡し、好業績を評価する動きが強まるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
>>クリーク・アンド・リバー社のMedia−IR企業情報
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!




2013年10月22日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリーク・アンド・リバー社に動意、子会社の不祥事嫌気した売り一巡、好業績を評価
【アナリスト銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:37
| アナリスト銘柄分析