建設コンサルタント大手の建設技術研究所<9621>(東1)の株価は、5月高値を突破して年初来高値を更新した。20年東京夏季五輪など目白押しの建設ビッグプロジェクトが支援材料であり、短期調整を挟みながら上値を追う展開だろう。
総合建設コンサルタントの大手で、河川・ダム・海岸・海洋、道路、橋梁、トンネル、都市・地方計画などの分野に強みを持ち、中期経営計画では防災・減災計画関連、都市計画関連、環境関連などを重点分野と位置付けて、再生エネルギーを活用したスマートコミュニティ、民間資金を活用するPFI事業への取り組みも強化する方針だ。9月2日には、農業・農村関連ビジネスへの参入を視野に入れて、新事業開発を推進する子会社CTIフロンティアの設立を発表している。
今期(13年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比9.2%増の355億円、営業利益が同27.3%増の12億円、経常利益が同20.7%増の13億円、純利益が同27.2%増の7億円としている。前期の受注高が前々期比19.3%増の377億円と高水準だったことに加えて、第2四半期累計(1月〜6月)の受注高も前年同期比13.4%増の228億13百万円と好調だった。公共投資増加が追い風となって、通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、9月6日の直近安値700円をボトムとして水準を切り上げる展開が続いている。10月21日には913円まで上伸し、5月の高値883円を突破して年初来高値を更新した。20年東京夏季五輪など目白押しの建設ビッグプロジェクトを材料視する動きだろう。
10月22日の終値900円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS49円50銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1429円83銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドの形だ。指標面に割高感はなく、短期調整を挟みながら上値追いの展開だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月23日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】建設技術研究所は一気に新高値、総合建設コンサルタン大手の実力評価
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:30
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