受託臨床検査大手のビー・エム・エル<4694>(東1)の株価は、今期(14年3月期)の好業績見通しや通期増額の可能性を評価して上値追いの展開が続いている。
受託臨床検査事業を主力として、腸内細菌検査や食品衛生コンサルティングなどの食品衛生検査事業、電子カルテなどの医療情報システム事業、SMO(治験支援)事業なども展開している。
事業基盤拡大に向けてM&Aも活用し、受託臨床検査事業では検査ラボの全国展開や規模拡大、クリニック市場や病院市場での新規顧客開拓を推進している。さらに北海道、本州、九州での子会社再編などを実施して収益構造改善に取り組んでいる。食品衛生検査事業は「食の安全」意識の高まりが追い風であり、医療情報システム事業では電子カルテ「クオリス」のブランド向上に向けた取り組みを強化している。
今期の連結業績見通しは売上高が前期比2.8%増の973億円、営業利益が同7.0%増の71億円、経常利益が同4.6%増の73億円、純利益が同7.9%増の40億円としている。臨床検査事業は競争激化などで受託価格が下落するが、クリニック市場や病院市場での新規顧客開拓、子会社の第一岸本臨床検査センターの収益改善などが寄与する。大幅増益だった第1四半期(4月〜6月)の通期見通しに対する進捗率は高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。
なお10月28日に代表取締役の異動を発表している。福田和太・代表取締役社長から健康上の理由により13年12月31日付で代表取締役社長を辞任する旨の申し出があったことによるもので、近藤健介・取締役執行役員が14年1月1日付けで代表取締役社長に就任する予定だ。
株価の動きを見ると、全般地合いが悪化する中でも水準を切り上げて高値を更新する展開が続いている。10月24日には3420円、そして10月29日には3430円まで上値を伸ばした。今期好業績見通しを評価する動きだろう。
10月29日の終値3400円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS188円36銭で算出)は18倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間40円で算出)は1.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2389円83銭で算出)は1.4倍近辺である。
日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形であり、週足チャートで見てもほぼ一本調子の上昇トレンドだ。指標面に割高感はなく、短期調整を挟みながら上値追いの展開だろう。月足チャートで見ても09年12月の2930円を突破してモミ合いを上放れ、上げ足を速めており、5000円台も視野に入りそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年10月30日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ビー・エム・エルの月足チャートが長期モミ合い上放れ、5000円も
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:22
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