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2013年11月19日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】新日本建物の株価に煮詰まり、事業再生が着実に進展

 新日本建物<8893>(JQS)の株価はボックス展開だが、足元では下値を確認してレンジ上限に向かう形のようだ。きっかけ次第で動意付く可能性があるだろう。

 首都圏で流動化事業(他デベロッパー向けマンション用地販売)、マンション販売事業(自社開発物件の分譲、新築マンションの買取再販)、戸建販売事業(戸建住宅・宅地分譲)、その他事業(不動産賃貸や建築工事請負)を展開している。

 10年11月に提出した事業再生計画に基づいて、マンション販売事業の買取再販、流動化事業の専有卸、戸建住宅販売事業を主力として販売活動を強化するとともに、コスト圧縮も進めて経営再建に取り組んでいる。事業再生計画決定後の12年3月期、13年3月期は2期連続で最終黒字を達成した。

 事業再生を着実に遂行するため新規事業用地の仕入れも積極的に進め、9月には川崎市高津区で戸建販売事業「北見方プロジェクト(仮称)」事業用地、10月には東京都江戸川区で戸建販売事業「東葛西プロジェクト(仮称)」事業用地を取得した。

 11月8日に発表した今期(14年3月期)第2四半期累計(4月〜9月)の業績(非連結)は、前年同期比35.3%増収、同25.8%営業減益、同82.9%経常減益、同87.6%最終減益だった。流動化事業は2案件で同2.1倍増収、マンション販売事業は62戸販売で同11.9%減収、戸建販売事業は59棟販売で同2.3倍増収、その他事業は同40.4%減収だった。マンション販売事業で第3四半期(10月〜12月)以降引渡予定物件の販売経費を計上したことなどで減益だった。

 事業用地仕入については、第2四半期までにマンション販売事業で3物件・44億円(売上ベース)、戸建販売事業で9物件・21億円を積み上げた。なお有利子負債の圧縮も進め、第2四半期末の有利子負債残高は前期末比12億73百万円減少して43億38百万円となった。

 通期見通しは前回予想を据え置いて、売上高が前期比16.6%増の127億円、営業利益が同18.0%増の6億20百万円、経常利益が同3.1%減の4億05百万円、純利益が同4.2%減の4億円としている。通期では販売戸数増加などによって増収営業増益の見込みだ。

 株価の動きを見ると、9月18日に91円まで急伸する場面があったが、概ね60円〜75近辺のレンジでボックス展開のようだ。第2四半期累計の大幅減益を受けて11月11日に前日比6円安の61円まで調整したが、レンジ下限を割り込まずに反発し、11月18日には前日比3円高の67円まで戻している。下値を確認してレンジ上限に向かう形だ。

 11月18日の終値67円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円02銭で算出)は16〜17倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS11円64銭で算出)は5.8倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復し、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。きっかけ次第で動意付く可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:55 | アナリスト水田雅展の銘柄分析