受託ソフトウェア開発のシステム情報<3677>(JQS)の株価は、IPO人気が一巡して調整局面だったが、足元では急反発の動きとなった。換金売りが一巡して本格出直り展開となりそうだ。
13年10月JASDAQ市場に新規上場した。Webアプリケーション・組込系システム開発などのSI(システムインテグレーション)サービス、インフラ構築などのITソリューションサービス、コンサルティングサービスなどを展開している。NTTデータ<9613>グループや日本IBM向けが主力で、エンドユーザーの業種別では保険が約5割を占め、銀行・証券、製造、流通・サービス、情報・通信が続いている。
品質保証のための世界標準であるCMMI(米国カーネギーメロン大学のソフトウェア工学研究所が開発したソフトウェア開発プロセスの能力成熟度モデル)について、日本では7社目となる最高位のレベル5を12年11月に達成した。プロジェクト管理の国際標準的な資格であるPMPも従業員の3分の1以上(13年9月末時点で112名)が取得している。システム開発の品質保証力が強みであり、新規顧客開拓などでエンドユーザーとの直接契約も増加傾向だ。
今期(14年9月期)業績(非連結)見通しは売上高が前期比6.4%増の45億円、営業利益が同1.2%増の3億50百万円、経常利益が同0.5%減の3億36百万円、純利益が同0.7%増の1億88百万円としている。営業利益は人材採用増に伴う人件費増加などで微増益にとどまり、経常利益は上場関連費用の計上で微減益見込みだが、生保業界の新規案件獲得やインフラ案件の受注拡大などで増収見通しだ。
中期的にはM&Aも積極活用する方針で、年率5%以上の成長戦略で売上高100億円、売上高経常利益率7%以上の維持を目指している。成長に向けた取り組みとしては、エンドユーザーとの直接契約の拡大、CMMI・PMPをベースにしたコンサルティングビジネスの拡大などを掲げている。
株価の動きを見ると、公開価格740円に対して、新規上場2日目の10月23日に初値3500円を付け、10月28日に6580円まで上伸する場面があった。その後はIPO人気が一巡して調整局面となり、12月24日には1880円まで調整する場面があった。ただし12月25日は前日比40円高の1943円、そして12月26日にはストップ高水準となる前日比400円高の2343円と急反発して換金売り一巡感を強めている。
12月26日の終値2343円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS71円35銭で算出)は33倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS322円06銭で算出)は7倍近辺である。換金売りが一巡して本格出直り展開となりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年12月27日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】システム情報は換金売り一巡して急反発、本格出直り期待
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:47
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