製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は、9月の年初来高値から反落したが、足元では調整一巡感を強めている。低PBRも支援材料に9月高値を試す流れだろう。
DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。中期経営目標としては、設立50周年の18年連結売上高350億円、売上高営業利益率10%を掲げ、高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販戦略、セルロースナノファイバーや導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など成長市場・新分野開拓戦略を推進している。
事業領域拡大に向けてM&Aやアライアンス戦略も推進する方針だ。13年11月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継するKJケミカルズの株式90%を取得し、子会社化(株式譲渡実行日は14年4月1日予定)すると発表した。対象事業の主要製品は機能性モノマーで、売上規模は約30億円(13年3月期実績)としている。
今期(13年12月期、決算期変更で9ヶ月決算)の連結業績見通し(11月5日に売上高と営業利益を減額修正)は、売上高が168億70百万円、営業利益が7億50百万円、経常利益が9億60百万円、純利益が5億90百万円としている。前年同期間(12年4月〜12月)との比較で見ると4.9%増収、14.9%営業減益、3.2%経常増益、3.0%最終増益となる。
国内外での需要伸び悩みや原材料価格の上昇を主因に、売上高と営業利益を減額修正したが、経常利益は円安進行に伴う外貨建て資産に係る為替差益、純利益は税金費用の過年度減額修正が寄与する。来期(14年12月期)は需要回復やプロダクトミックス改善などの効果で収益拡大が期待される。
株価の動きを見ると、9月高値548円から反落し、10月後半以降は概ね450円〜480円近辺でモミ合う展開だ。ただし足元ではモミ合いレンジ下限の450円近辺から切り返しの動きとなった。終値で12月26日は前日比15円高の465円、12月27日は前日比11円高の476円と続伸している。調整が一巡した可能性があるだろう。
12月27日の終値476円を指標面(1株当たり今期予想数値は12ヶ月換算)で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円95銭で算出)は18〜19倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS654円99銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を回復した。また週足チャートで見ると26週移動平均線近辺から反発した。下値を切り上げてサポートラインを確認した形だろう。低PBRも支援材料に9月高値を試す流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)
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2013年12月30日
【アナリスト水田雅展の銘柄診断】星光PMCは調整一巡感、低PBRも支援材料に9月高値を試す
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 08:01
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