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2013年12月30日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トヨタ自動車は出遅れの代表銘柄、円安加速が支援材料、ボックス上放れて上げ足加速の期待

 トヨタ自動車<7203>(東1)の株価は上値が重く戻り高値圏でのボックス展開が続いていたが、漸く動き出しそうだ。為替が1ドル=105円台に入ったことに加えて、13年末の証券優遇税制終了に伴う換金売りが一巡したことも需給面での支援材料だ。市場平均との比較で今期予想連結PERに割安感が強く、出遅れの代表銘柄とも言えるだろう。煮詰まり感が強いだけにボックス上放れ後は上げ足加速の期待が高まる。

 今期(14年3月期)連結業績(米国基準)見通し(11月6日に2回目の増額修正)は売上高が前期比13.3%増の25兆円、営業利益が同66.6%増の2兆2000億円、税前利益が同63.1%増の2兆2900億円、純利益が同73.6%増の1兆6700億円、想定為替レートは通期で1米ドル=97円、1ユーロ=130円としている。ただし足元で1ドル=105円台、1ユーロ=144円台まで円安が進行していることを考慮すれば、通期3回目の増額修正で過去最高純益更新は濃厚だろう。

 来期(15年3月期)については、国内の消費増税後の反動に加えて、中国などアジアの新興国市場の動向に不透明感があるが、主力の北米市場では好調な販売が続くだろう。欧州の景気回復もプラス要因だろう。そして一段の円安進行による輸出採算の改善も期待され、最高純益連続更新の可能性が高いだろう。

 株価の動きを見ると、7月以降は6000円〜6500円のレンジでボックス展開が続いている。レンジ上限の6500円近辺を抜け切れないが、一方ではレンジ下限の6000円近辺に接近すると急反発する形であり、下値に対する押し目買い意欲は強いようだ。足元では12月16日に終値で6060円まで調整してレンジ下限に接近したが、証券優遇税制終了の翌日12月26日には終値で前日比180円(2.93%)高の6340円、1ドル=105円台を付けた12月27日には終値で6390円まで上伸している。

 12月27日の終値6390円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS526円98銭で算出)は12倍近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3835円30銭で算出)は1.7倍近辺である。通期3回目の増額の可能性も考慮すれば予想連結PERの割安感は強い。煮詰まり感も強めてボックス上放れのタイミングであり、ボックス上放れ後は上げ足加速の期待が高まる。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 10:56 | アナリスト銘柄分析