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2014年01月07日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カーリットホールディングスは水準切り上げてモミ合い上放れの動き、低PBRに見直し余地

 カーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は、徐々に水準を切り上げてモミ合い展開から上放れの動きを強めている。指標面で低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。

 日本カーリットが設立した純粋持株会社で、13年10月東証1部市場に新規上場した。化薬事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験受託など)、化学品事業(塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、農薬、電子材料、機能材料など)を主力として、ボトリング事業、シリコンウェーハ事業、その他事業(研削剤、シロアリ防蟻施工、各種耐火・耐熱金物など)を展開している。中期経営計画「飛躍500」では、M&A・アライアンス戦略を積極展開する方針を打ち出し、13年10月には一級建築士事務所の総合設計を子会社化して下水道施設設計分野に進出した。

 今期(14年3月期)連結業績見通し(10月30日に減額修正)は、売上高が前期比9.1%増の410億円、営業利益が同30.0%増の18億円、経常利益が同24.5%増の19億円、そして純利益は前期計上した横浜工場跡地売却益が一巡して同31.0%減の11億円としている。

 第2四半期累計(4月〜9月)のボトリング事業が低調だったことや、計画していたM&A案件の遅れが影響して期初計画を減額したが、主力の化薬事業は自動車用緊急保安炎筒の新車装着用の価格改定や、車検交換用の緊急脱出用ガラス破壊機能付き製品「ハイフレヤープラスピック」への交換促進などで堅調だ。シリコンウェーハ事業は新規顧客開拓や円安メリットで通期黒字化の見込みだ。またボトリング事業はホット飲料対応などで下期の稼働率が向上するようだ。

 株価の動きを見ると、11月以降は概ね480円〜500円近辺の小幅レンジでモミ合う展開だが、足元では12月25日の直近安値483円から反発して水準を切り上げ、モミ合い上放れの動きを強めている。1月6日には全般地合い悪の中でも507円まで上伸して11月26日の505円を上抜く場面もあった。

 1月6日の終値502円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円42銭で算出)は9〜10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は1.8%近辺、実績PBR(日本カーリットの前期実績の連結BPS841円00銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートで見ると一旦割り込んだ25日移動平均線を回復して上伸した。強基調に転換した可能性があるだろう。指標面では低PBRに見直し余地があり、きっかけ次第で動意の可能性があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)

>>カーリットホールディングスのMedia−IR企業情報

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:15 | アナリスト銘柄分析