広告代理店向けTV−CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東2)の株価は出直りの動きが本格化している。収益改善基調や高配当利回りを評価する流れに変化はなく、昨年5月の高値が視野に入るだろう。
広告代理店向けのTV−CM企画・制作事業を主力として、WEB広告やプロモーションメディア広告の企画・制作などマーケティング・コミュニケーション事業も展開している。不採算事業の縮小・撤退などによって事業構造改革を推進し、13年5月にはマーケティング・コミュニケーション事業内で不採算だったテオーリア事業部を譲渡した。
13年9月に発表した新中期経営計画では、目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円などを掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示した。広告市場は拡大基調であり、TV−CM制作業界では当社を含む大手制作会社3社による寡占化傾向を強めている。20年東京夏季五輪も追い風となるため事業環境は中期的に良好だろう。
今期(14年7月期)の連結業績見通しは売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円としている。主力のTV−CM事業は自動車、電気・情報通信、衣料、飲料業界向けを中心に好調が続き、大型案件増加や大口広告主からの直接受注増加も寄与する。人件費の先行投資が一巡したことに加えて、不採算事業撤退など事業構造改革の効果も寄与して収益が一段と改善する。
株価の動き(13年10月25日付で東証2部に市場変更)を見ると、昨年11月以降の概ね145円〜155円でのモミ合い展開から上放れた。足元では170円台まで上伸して出直りの動きが本格化している。1月15日には前日比8円(4.71%)高の178円まで上伸する場面があり、10月の戻り高値185円に接近した。収益改善基調を評価する動きだろう。
1月15日の終値176円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.4%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線がサポートラインとなって短期モミ合いから上放れた。さらに26週移動平均線を回復して強基調に転換した形だ。高配当利回りにも見直し余地があり、昨年5月高値208円が視野に入るだろう。(ジャーナリスト&アナリスト)
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2014年01月16日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティー・ワイ・オー出直り本格化、収益改善基調や高配当利回りを評価する流れに変化なし
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