市場調査最大手のインテージホールディングス<4326>(東1)の株価は1月に昨年来高値を更新し、その後も高値圏で堅調に推移している。今期好業績見通しを評価して上値追いの流れに変化はないだろう。3月期末に向けて期末一括配当で2%近辺の配当利回りも注目点だ。
13年10月に持株会社へ移行した。小売店パネル調査や消費者パネル調査など市場調査・コンサルティング事業を主力に、M&Aも積極活用してシステムソリューション事業、医薬品開発支援事業にも事業領域を広げている。11年9月にベトナムの市場調査会社FTA、12年9月に医療情報総合研究所、12年11月に医療関連インターネット調査会社プラメド、13年8月に香港の市場調査会社CSG香港を子会社化した。
アライアンス戦略では、12年4月にNTTドコモ<9437>と合弁会社ドコモ・インサイトマーケティングを設立、13年10月に韓国の業界4位の市場調査会社Hankook Researchと包括的な事業協力、13年11月にインドネシアの市場調査会社DEKA社と合弁会社を設立した。またグループIT基盤強化に向けて、インテージのIT関連部門とインテージ長野を統合してインテージテクノスフィアを発足(14年4月1日予定)させる。
2月7日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は、前年同期比2.6%増収、同8.8%営業減益、同10.9%経常減益、同20.1%最終減益だった。セグメント別に見ると、市場調査・コンサルティングはパネル調査を中心に好調に推移して同5.2%増収、同3.1%営業増益だった。システムソリューションは受注増加で同3.2%増収となり営業黒字化した。医薬品開発支援事業は期前半の不調の影響が残り同8.0%減収で営業損益が悪化したが、受注は改善傾向のようだ。
通期の見通しは前回予想(5月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比7.8%増の430億52百万円、営業利益が同9.0%増の36億06百万円、経常利益が同5.3%増の33億83百万円、純利益が同48.9%増の18億61百万円としている。市場調査・コンサルティング事業の好調が牽引し、システムソリューションの損益改善、CSG香港の新規連結、前期計上した特別損失一巡も寄与する。
株価の動き(13年10月1日付けで株式2分割)を見ると、1200円〜1300円近辺のボックスレンジから上放れて昨年5月高値を突破した。1月29日には昨年来高値となる1413円まで上値を伸ばした。その後は上げ一服の形だが、全般地合い悪化の状況下でも高値圏で堅調に推移している。好業績を評価する動きだろう。
2月20日の終値1346円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円55銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間27円50銭で算出)は2.0%近辺、実績PBR(前期実績に株式2分割を考慮した連結BPS767円29銭で算出)は1.8倍近辺である。週足チャートで見ると右肩上がりの13週移動平均線がサポートラインとなった。強基調を確認して上値追いの流れだろう。(ジャーナリスト&アナリスト)
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2014年02月21日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】インテージHDは高値圏で堅調推移、好業績を評価
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:29
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