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2014年02月23日

【アナリスト水田雅展の株式・為替相場展望】米主要経済指標に強弱感交錯、米国株しだいで方向感乏しく、先物主導で不安定

【株式・為替相場展望】(24〜27日)

 来週(2月24日〜28日)の株式・為替相場は、引き続き方向感に乏しい展開だろう。新興国通貨は落ち着いた状況であり、株式市場の需給面では裁定買い残が減少して安心感に繋がるが、新興国の景気減速懸念に加えて、米主要経済指標も寒波の影響などで強弱感が交錯している。米国株しだいだが、前週と同様に先物主導で不安定な動きが見られる可能性もあるだろう。

 前週の株式市場は、週間で日経平均株価が552円64銭(3.86%)上昇、TOPIXが37.49ポイント(3.25%)上昇し、いずれも7週ぶりの上昇に転じたが、先物主導で乱高下の展開だった。東証1部市場の売買代金も週後半には2兆円を割り込んだ。外国為替市場のドル・円相場は一時的に1ドル=101円台前半や1ドル=102円台後半に振れる場面があったが、米長期金利が小動きだったこともあり、概ね1ドル=101円台後半〜102円台前半のレンジで方向感に乏しい展開だった。日本1月貿易収支が過去最大の赤字となったことに対する反応も限定的だった。

 17日〜18日の日銀金融政策決定会合では金融政策を現状維持としたが、金融機関の成長融資と貸出増加を促す貸出支援基金の規模を2倍に拡充して、受付期限も1年間延長することを決定した。この決定を好感して18日の株式市場では日経平均株価が終値で前日比450円13銭高と今年最大の上昇幅となり、外国為替市場でもドル高・円安方向に傾いた。ただしその後の株式市場は、20日に中国2月製造業PMI速報値(HSBC)が低水準だったことをきっかけとして日経平均株価が前日比317円35銭安と急落し、21日には一転して前日比416円49銭高と急反発するなど乱高下の展開だった。

 来週は海外要因として、22日〜23日のG20財務相・中央銀行総裁会議の共同声明に対する反応や、悪天候のため延期されていた27日のイエレン米FRB(連邦準備制度理事会)議長の上院での議会証言が注目されるが、いずれも市場マインドを大きく動かす材料とはなり難いだろう。28日の米10〜12月期GDP改定値に関しては速報値に対して下振れが予想されているが、想定以上に下振れた場合の反応に注意が必要となる。

 日本株に関しては「アベノミクス成長戦略」への期待感が後退したうえに、集団的自衛権や憲法改正に意欲を見せる「アベリスク」に対して海外投資家の売りが指摘され、消費増税後の4〜6月期の景気減速も織り込み始めている状況であり、日銀の「4月追加金融緩和」への期待感以外に積極的に買い上げる好材料が見当たらない。賃金上昇傾向を確認するのも春闘終了以降だろう。

 22日〜25日のTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の閣僚会合で、大枠合意に向けて目立った動きがあれば好感することになりそうだが、現時点では25日にまでに決着する見通しは立っていないようだ。日本株、ドル・円相場とも当面は次週3月7日の米2月雇用統計に向けて方向感に乏しく、日々の米主要経済指標に反応する米国株しだいの展開となりそうだ。

 チャート面で見ると日経平均株価、TOPIXともに、25日移動平均線および26週移動平均線にチャレンジする形だけに、これを突破すれば安心感に繋がるが、突破できなければボックス展開が意識されることになる。株式市場での物色動向としては、消費増税後の景気減速が日増しに警戒されやすくなることを考えれば、ゲーム関連や再生エネルギー関連などの材料系銘柄、消費増税の影響を受けにくい銘柄などの日替わり物色の傾向が強まる可能性があるだろう。また期末が接近して高配当利回り銘柄に対する配当権利取りの動きも注目される。

 その他の注目スケジュールとしては、24日の中国1月主要70都市住宅価格、独2月IFO業況指数、米1月シカゴ連銀全米活動指数、25日の米12月S&Pケース・シラー住宅価格指数、米12月FHFA住宅価格指数、米2月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)、25日〜26日のブラジル中銀金融政策決定会合、26日の独3月GfK消費者信頼感指数、米1月新築一戸建て住宅販売、27日のユーロ圏2月景況感・業況感指数、米1月耐久財受注、ブラジル10〜12月期GDP、28日の日本1月全国・2月東京都区部消費者物価指数、日本1月完全失業率・有効求人倍率、日本1月家計調査、日本1月鉱工業生産、インド10〜12月期GDP、ユーロ圏1月失業率、米1月中古住宅販売仮契約指数、米2月シカゴ地区購買部協会景気指数、3月1日の中国2月PMIなどがあるだろう。

 その後は3月4日の豪中銀理事会、米2015年度予算教書、5日〜6日の英中銀金融政策委員会、6日のECB理事会とドラギ総裁の記者会見、7日の米2月雇用統計、8日の中国2月貿易統計、9日の中国2月PPI・CPI、10日の日本10〜12月期GDP2次速報値、10日〜11日の日銀金融政策決定会合と黒田総裁の記者会見、18日〜19日の米FOMC(連邦公開市場委員会)とイエレンFRB議長の記者会見などが予定されている。なお3月5日から中国・全国人民代表大会(全人代)が開催される。(ジャーナリスト&アナリスト)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 13:15 | アナリスト水田雅展の銘柄分析