不動産関連の新日本建物<8893>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響も受けて1月の戻り高値圏から反落したが、昨年8月安値に接近して下値支持線を確認したようだ。反発のタイミングだろう。
首都圏で流動化事業(他デベロッパー向けマンション用地販売)、マンション販売事業(自社開発物件の分譲、新築マンションの買取再販)、戸建販売事業(戸建住宅・宅地分譲)、その他事業(不動産賃貸や建築工事請負)を展開している。10年11月に提出した事業再生計画に基づいて、マンション販売事業の買取再販、流動化事業の専有卸、戸建住宅販売事業を主力として経営再建に取り組んでいる。事業再生計画決定後の12年3月期および13年3月期は2期連続で最終黒字を達成した。
事業再生に向けて新規事業用地仕入れも進めている。13年9月に川崎市高津区で戸建販売「北見方プロジェクト(仮称)」事業用地、13年10月に東京都江戸川区で戸建販売「東葛西プロジェクト(仮称)」事業用地、13年11月に埼玉県志木市で戸建販売「志木プロジェクト(仮称)」事業用地、13年12月に東京都町田市で戸建販売「南町田プロジェクト(仮称)」事業用地、そして14年2月には神奈川県横浜市で戸建販売「瀬谷プロジェクト(仮称)」事業用地を取得している。
2月3日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)の業績(非連結)は前年同期比21.5%増収、同1.5%営業増益、同31.0%経常減益、同34.0%最終減益だった。マンション販売が79戸で同10戸減少、戸建販売が67棟で同6棟減少したが、流動化案件販売が5件で同3件増加した。コスト面ではマンション販売事業の第4四半期(1月〜3月)引渡予定物件の経費計上で営業費用が増加したが、その他の販管費圧縮も寄与して増収営業増益だった。経常利益と純利益は支払利息増加や投資有価証券売却益一巡などで減益だった。
通期の見通しは前回予想(5月10日公表)を据え置いて、売上高が前期比16.6%増の127億円、営業利益が同18.0%増の6億20百万円、経常利益が同3.1%減の4億05百万円、純利益が同4.2%減の4億円としている。戸建販売事業の販売戸数増加が牽引して増収営業増益の見込みだ。事業用地仕入は第3四半期末までに戸建販売事業16物件・34億円(売上ベース)を積み上げている。
株価の動きを見ると、12月24日と12月25日の54円から1月20日の73円まで切り返したが、その後は全般地合い悪化の影響も受けて反落し、2月4日には52円まで下押す場面があった。ただし足元は概ね55円〜60円近辺で推移して下げ渋り感を強めている。
2月21日の終値55円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS4円02銭で算出)は13〜14倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS11円64銭で算出)は4.7倍近辺である。週足チャートで見ると再び26週移動平均線を割り込んだが、8月安値52円に面合わせして下値支持線を確認した形だろう。(ジャーナリスト&アナリスト)
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2014年02月24日
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