ネット広告代理店のセプテーニ・ホールディングス<4293>(JQS)の株価は1月高値圏から反落した。目先的には調整局面だが、ネット広告市場の拡大を背景として中期成長力を評価する流れに変化はないだろう。押し目買いの好機となりそうだ。
ネット広告販売やウェブソリューションなどで包括的なマーケティング支援サービスを提供するネットマーケティング事業を主力として、ソーシャルゲーム・書籍・動画・占いなどデジタルコンテンツ企画・開発・販売のメディアコンテンツ事業を展開している。
ネットマーケティング事業ではフェイスブック関連に強みを持ち、スマートフォンとソーシャルに注力して業容を拡大している。メディアコンテンツ事業では、ソーシャルゲーム関連をネイティブアプリの協業や受託開発にシフトするとともに、新規分野はマンガコンテンツ関連を中心に積極投資する方針だ。マンガコンテンツ関連の子会社コミックスマートは13年12月から、新作マンガ配信サービス「GANMA(ガンマ)」を開始した。海外は米国、シンガポール、ベトナムで本格事業展開の基盤構築を進めている。
2月6日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)連結業績は前年同期比15.1%増収、同2.3倍営業増益、同2.2倍経常増益、同2.2倍最終増益だった。売上高・営業利益とも計画を上回り、四半期ベースの過去最高を更新した。主力のネットマーケティング事業の好調に加えて、前期に子会社2社を売却したことで販管費の増加が小幅にとどまったことも寄与した。
セグメント別に見ると、ネットマーケティング事業が一時的な売上総利益増加要因も寄与して同21.8%増収、同87.3%営業増益と好調に推移して全体を牽引した。スマートフォン広告売上が同約2.5倍に拡大して、売上構成比は40%を突破した。ソーシャル関連や海外売上も拡大した。メディアコンテンツ事業は同7.1%減収だったが、モバイルゲーム関連の売上高・営業利益が想定を上回り、マンガコンテンツ関連などの先行投資負担を吸収して営業赤字が縮小した。
業績見通しは四半期開示として、第2四半期累計(13年10月〜14年3月)の連結業績見通しは、売上高が前年同期比15.0%増の258億32百万円、営業利益が同63.8%増の12億62百万円、経常利益が同49.6%増の13億17百万円、純利益が同3.6%増の7億63百万円としている。第1四半期(10月〜12月)実績に第2四半期(1月〜3月)見通しを加算した形だ。純利益については前年同期に計上した特別利益が一巡して小幅増益見込みだ。
なお四半期ベースで見ると、第2四半期(1月〜3月)については、メディアコンテンツ事業の先行投資負担などで、第1四半期(10月〜12月)との比較では増収営業減益の見込みとなる。ただしネットマーケティング事業の好調が牽引して、通期ベースでの好業績が期待される。
株価の動き(13年10月1日付で株式200分割)を見ると、自律的な短期調整を挟みながら水準を切り上げる強基調の展開だったが、1月22日高値1549円から反落し、利益確定売りや全般地合い悪化で調整局面となった。2月4日には1061円まで調整する場面があった。その後一旦は1400円近辺まで反発する場面があったが、足元は概ね1200円台で推移している。2月21日の終値は1258円だった。週足チャートで見るとサポートラインの13週移動平均線を割り込んだが、26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発している。目先的には調整局面だが、中期成長力を評価する流れに変化はなく押し目買いの好機となりそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト)
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2014年02月24日
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24
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