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2014年02月24日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】イーピーミントは収益改善を評価し反発のタイミング

 SMO(治験施設支援機関)大手のイーピーミント<6052>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げたが、足元では下げ渋り感を強めている。今期(14年9月期)の収益改善を評価する流れに変化はなく、リスク回避の売りが一巡して反発のタイミングだろう。

 イーピーエス<4282>の連結子会社で、臨床試験を実施する医療機関向けサイトサポート業務(治験事務局運営管理)やCRC(臨床試験実施をサポートする治験コーディネーター)業務などのSMO事業を主力として、臨床研究なども展開している。がん・循環器系・脳神経外科など高難易度領域に強みを持ち、全国展開によるネットワークで前期(13年9月期)末の契約医療施設数は約2500施設に達している。また13年3月に綜合臨床サイエンスと業務提携し、地域・疾患領域・提携医療機関の種類などで補完体制構築を進めている。

 SMO市場は年平均3.3%程度の成長率で推移し、大手3社による寡占化も進展する見込みだ。こうした状況下の重点戦略として、親会社のイーピーエスおよびグループ各社との連携を強化しながら、大病院など優良な医療機関との提携拡大や新規開拓、治験体制の整備、がん領域の拡大、プロジェクト管理体制の強化と生産性向上、臨床研究への取り組み強化と受託拡大、M&Aやアライアンス戦略などを推進し、18年9月期の売上高80億円〜100億円を目指している。

 1月31日発表の今期(14年9月期)第1四半期(10月〜12月)の業績(非連結)は前年同期比0.8%増収、同7.4倍営業増益、同7.5倍経常増益、同25.5倍最終増益だった。売上高の伸びは小幅だったが、プロジェクト管理体制強化などの効果で売上総利益率が同8.0ポイント上昇し、営業損益が大幅に改善した。

 通期見通しについては前回予想(11月6日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.0%増の65億円、営業利益が同2.2倍の9億円、経常利益が同2.2倍の9億08百万円、純利益が同2.4倍の5億63百万円としている。受注高は同18.4%増の70億46百万円、期末受注残高は同6.9%増の84億15百万円を計画している。受注は高難易度領域が堅調であり、前期落ち込んだ生活習慣病領域も回復の見込みだ。増収効果やプロジェクト管理体制強化などの効果で営業損益が大幅に改善する。

 株価の動き(13年10月1日付で株式2分割)を見ると、12月〜1月は概ね1400円〜1500円近辺でモミ合う展開だったが、2月には全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げた。2月17日には1235円まで調整する場面があった。ただし足元では1300円近辺に戻して下げ渋り感を強めている。

 2月21日の終値1304円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS146円56銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間35円で算出)は2.7%近辺、実績PBR(前期実績のBPS922円84銭で算出)は1.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが下げ渋り感を強めている。指標面には割安感も台頭しており、1300円近辺で下値を固めて反発のタイミングだろう。(ジャーナリスト&アナリスト)

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:50 | アナリスト水田雅展の銘柄分析