カーリットホールディングス<4275>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響を受けて急落したが、底打ちを確認して反発態勢だろう。指標面での低PERや低PBRも支援材料だ。
日本カーリットが純粋持株会社を設立して13年10月東証1部市場に上場した。化学品事業部門(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、信号炎管、危険性評価試験受託、塩素酸ナトリウム、過塩素酸アンモニウム、緑化関連製品、電子材料、機能材料など)を主力として、ボトリング事業部門、産業用部材事業部門(半導体用シリコンウェーハ、研削剤、シロアリ防蟻施工、各種耐火・耐熱金物など)を展開している。中期経営計画「飛躍500」でM&A・アライアンス戦略を積極展開する方針を打ち出し、13年10月には一級建築士事務所の総合設計を子会社化して上下水道・排水処理施設設計分野に進出した。
さらに2月14日には、東洋発條工業の株式73.2%を取得して子会社化すると発表した。新たに自動車および建設機械業界向けを中心とした各種スプリング製造の分野に事業展開する。
2月4日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は売上高が289億76百万円、営業利益が9億22百万円、経常利益が10億05百万円、純利益が5億39百万円だった。日本カーリットの前年同期業績との比較で見ると1.9%増収、14.6%営業減益、15.7%経常減益、60.3%最終減益だった。ボトリング事業部門が缶飲料の受注減などで低調だったが、化学品事業では化薬分野の自動車用緊急保安炎筒、化成品分野では塩素酸ナトリウム、産業用部材事業部門では半導体用シリコンウェーハの新製品などが好調だった。
通期の見通しは前回予想(10月30日に減額修正)を据え置いて、売上高が前期比9.1%増の410億円、営業利益が同30.0%増の18億円、経常利益が同24.5%増の19億円、純利益は横浜工場跡地売却益の一巡で同31.0%減の11億円としている。ボトリング事業の低調やM&A案件の遅れが影響して減額したが、売上面は自動車用緊急保安炎筒の新車装着用の価格改定、車検交換用の緊急脱出用ガラス破壊機能付き製品「ハイフレヤープラスピック」への交換促進などで堅調に推移する。
来期(15年3月期)は自動車用緊急保安炎筒の堅調な推移に加えて、シリコンウェーハ事業の新規顧客開拓、ボトリング事業のホット飲料対応、そしてM&Aによる新規連結なども寄与して好業績が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、概ね480円〜510円近辺の小幅レンジでボックス展開だったが、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響も受けて急落し、ボックス下放れの展開となった。2月5日には435円まで下押す場面があった。ただし足元では460円〜470円近辺まで戻している。リスク回避の売りが一巡したようだ。
2月24日の終値462円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS53円42銭で算出)は8〜9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(日本カーリットの前期実績の連結BPS841円00銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると2月上旬の急落は長い下ヒゲを付けた。底打ちを確認した形だろう。指標面の低PERや低PBRも支援材料として反発態勢だろう。
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2014年02月25日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】カーリットHDは底打ち確認、低PERや低PBRも支援材料
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:19
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