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2014年02月25日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】星光PMCはセルロースナノファイバーを材料視して再動意

 製紙用薬品の星光PMC<4963>(東1)の株価は、セルロースナノファイバーに関する報道を材料視して再動意となった。目先的には乱高下の展開となりそうだが、1月高値を試す可能性があるだろう。

 DIC<4631>の子会社で製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業を展開している。中期経営目標としては18年12月期の連結売上高350億円(製紙用薬品事業200億円、樹脂事業150億円)、連結営業利益35億円、売上高営業利益率10%、海外事業売上高比率20%、新規事業領域売上高比率10%を掲げている。

 高付加価値・差別化商品の市場投入・拡販、セルロースナノファイバーや導電性ナノ材料(銀ナノワイヤ)など成長市場・新分野開拓の戦略を推進するとともに、事業領域拡大に向けて13年11月には、興人フィルム&ケミカルズの化成品事業を承継するKJケミカルズの株式90%を取得して子会社化(株式譲渡は14年4月予定)すると発表した。

 2月12日発表の前期(13年12月期、決算期変更で4月〜12月の9ヶ月決算)連結業績は、売上高が167億50百万円、営業利益が6億56百万円、経常利益が9億23百万円、純利益が6億27百万円だった。前年同期間(12年4月〜12月)との比較で見ると、差別化商品の市場投入効果などで2.3%増収、ロジンなど原料価格の高騰で24.9%営業減益、円安に伴う外貨建て資産の為替差益計上で8.0%経常増益、税金費用の過年度減額修正で25.9%最終増益だった。

 セグメント別に見ると、製紙用薬品事業は売上高が同2.3%増の119億96百万円、営業利益が同22.6%減の5億20百万円だった。国内市場、中国市場で差別化商品が堅調に推移した。印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は売上高が同2.3%増の47億53百万円、営業利益が同32.3%減の1億35百万円だった。インキ用樹脂は堅調だったが、事務機器業界の世界的な需要後退の影響で記録材料用樹脂が低調だった。

 今期(14年12月期)連結業績見通しは、売上高が261億60百万円、営業利益が11億円、経常利益が11億80百万円、純利益が7億30百万円としている。前年同期間(13年1月〜12月)との比較で見ると21.7%増収、19.2%営業増益、8.1%経常減益、14.8%最終減益となる。需要回復やプロダクトミックス改善などの効果で増収、営業増益、為替差益一巡や税金費用正常化で経常減益、最終減益見込みだ。

 なお4月1日付で連結子会社となるKJケミカルズの業績見込みを織り込んでいるが、負ののれん発生が予想される特別利益は現時点で金額算定が困難なため織り込んでいないとしている。上振れ要因となりそうだ。配当予想については前期と同額の年間12円(第2四半期末6円、期末6円)の予定とした。

 株価の動きを見ると、急騰して付けた1月24日高値1171円から一旦反落して2月4日の671円まで調整したが、その後は出直りの動きを強めている。そして2月24日にはストップ高水準の1024円まで急伸した。経済産業省が3月末をメドに次世代素材「セルロースナノファイバー(CNF)」の実用化ロードマップを策定するとの報道を受けて、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のCNF開発プロジェクトの中核企業である当社があらためて注目された。

 2月24日の終値1024円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円07銭で算出)は43倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は1.2%近辺、そして実績PBR(前期実績の連結BPS663円98銭で算出)は1.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインとなった。目先的には乱高下の展開となりそうだが、1月高値を試す可能性があるだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:31 | アナリスト水田雅展の銘柄分析