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2014年02月25日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】松田産業は下げ止まり感、売り一巡して低PBRに見直し余地

 貴金属リサイクル事業の松田産業<7456>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響や今期(14年3月期)業績減額修正を嫌気して下押しの形となったが、足元では売り一巡して下げ止まり感を強めている。低PBRに見直し余地があり反発のタイミングだろう。

 貴金属リサイクルを主力とする貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。国内では埼玉県入間市の貴金属リサイクル新工場が稼動した。海外は東アジアを中心に拠点網の拡充を推進し、貴金属関連事業は中国、台湾、フィリピン、ベトナム、タイ、マレーシア、シンガポール、食品関連事業は中国、タイに展開している。

 2月12日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比1.2%増収、同12.7%営業減益、同10.5%経常減益、同11.4%最終減益だった。食品関連事業は収益改善したが、主力の貴金属関連事業が低調だった。

 セグメント別に見ると、貴金属関連事業は売上高が同1.7%減の900億56百万円、営業利益が同18.5%減の29億40百万円だった。貴金属部門で金製品や銀製品が低調となり、環境部門では写真感材回収による銀の数量が減少して価格も下落した。食品関連事業は売上高が同9.2%増の355億98百万円、営業利益が同28.4%増の6億44百万円だった。水産品・畜産品の販売数量増加や農産品の価格上昇が寄与した。

 通期の見通しは2月12日に減額修正(11月11日に次いで2回目の減額修正)した。売上高は70億円減額して前期比0.8%減の1660億円、営業利益は11億円減額して同19.2%減の45億円、経常利益は10億円減額して同17.8%減の50億円、純利益は6億円減額して同17.2%減の33億20百万円とした。貴金属関連事業の需要回復ペースが想定より遅れているようだ。来期(15年3月期)の需要回復と収益改善に期待したい。

 なお2月12日に自己株式の取得を発表した。取得株式総数の上限8万株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合0.30%)、取得価額総額の上限1億円、取得期間14年2月13日〜3月13日としている。

 株価の動きを見ると、昨年11月以降は概ね1300円〜1400円近辺のレンジでボックス展開だったが、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化や2回目の減額修正を嫌気した売りで水準を切り下げた。2月14日には1241円まで調整した。ただし足元では下げ渋り感を強めている。売り一巡した可能性があるだろう。

 2月24日の終値1280円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円24銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は1.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1643円09銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面となったが、13年8月の安値1244円に接近して下値を確認した可能性がありそうだ。低PBRに見直し余地があり反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:36 | アナリスト水田雅展の銘柄分析