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2014年03月06日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】朝日ラバーは好業績や低PBRを見直して1月高値目指す

 車載照明用ゴム製品の朝日ラバー<5162>(JQS)の株価は、全般地合い悪化の影響で急落する場面があったが、好業績や低PBRを見直して1月高値を目指す展開だろう。

 自動車内装照明関連などの工業用ゴム製品を主力として、スポーツ用ゴム製品(卓球ラケット用ラバー)や医療・衛生用ゴム製品(点滴輸液バッグ用ゴム栓など)も展開している。シリコーンゴムをベースにした製品開発に強みを持ち、車載用小型電球の光源カラーキャップ「ASA COLOR LAMPCAP」や、車載用LED照明の光源カラーキャップ「ASA COLOR LED」などを主力製品としている。

 車載用「ASA COLOR LED」は従来の高級車向けに加えて、小型車や軽自動車向けにも採用が拡大している。また新製品・新規分野では機能製品のRFIDタグ用ゴム製品を増産し、NEC<6701>のポータブルDNA解析装置向けマイクロ流体チップを来期(15年3月期)量産開始する。

 2月12日発表の今期(14年3月期)第3四半期累計(4月〜12月)連結業績は前年同期比16.6%増収、同2.1倍営業増益、同2.3倍経常増益、同85.2%最終増益だった。自動車関連製品の好調が全体を牽引した。セグメント別に見ると工業用ゴム事業は同17.7%増収、同64.8%増益(全社費用等調整前)だった。主力の自動車関連製品の受注が増加し、スポーツ用ゴム製品やRFIDタグ用ゴム製品も堅調だった。医療・衛生用ゴム事業は同12.4%増収、同31.3%減益(同)だった。新製品のプレフィルドシリンジ(薬液充填済み注射器)向けガスケットの量産立ち上げまでにかかるコスト負担で減益だったが、新製品の量産開始や医療用ゴム製品の顧客側の在庫調整一巡で増収だった。

 通期の見通しは2月12日に前回予想(11月13日に売上高、経常利益、純利益を増額、営業利益を減額)を増額修正した。売上高は80百万円増額して前期比16.5%増の55億80百万円、営業利益は60百万円増額して同2.1倍増の2億80百万円、経常利益は78百万円増額して同2.1倍増の2億88百万円、純利益は30百万円増額して同95.4%増の1億50百万円とした。

 主力の自動車関連が好調に推移し、円安メリットやコストダウン効果も寄与して、新製品立ち上げ費用やマイクロ流体チップ試作開発・量産準備費用などのコスト負担増を吸収する。通期見通しに対する第3四半期累計の進捗率は売上高が75.1%、営業利益が85.4%、経常利益が89.9%、純利益が96.0%と高水準である。コストダウン効果が寄与して利益面は上振れ余地を残しているようだ。

 株価の動きを見ると、1月の高値493円から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で反落した。2月4日には316円まで急落した。しかし素早く切り返し、第3四半期累計業績を好感して2月12日には440円まで急伸する場面があった。足元は概ね370円〜400円近辺で推移している。

 3月5日の終値382円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円98銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS652円12銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると2月の急落は26週移動平均線近辺で下ヒゲを付けて反発し、その後は13週移動平均線を回復してサポートラインの形だ。低PBRも支援材料に1月高値を目指す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:14 | アナリスト銘柄分析