中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は、今期利益と配当予想の増額修正を好感して急騰し、昨年9月高値に面合わせの場面があった。目先的には過熱感もあるが、中期的に事業環境は良好であり、指標面には依然として割安感が強い。上値余地があるだろう。
大和ハウス工業<1925>と小田急電鉄<9007>が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新工事や耐震化工事などの国土強靭化計画関連、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連など、建設ビッグプロジェクトが目白押しであり中期的に事業環境は明るい。
2月28日に今期(14年3月期)業績見通し(今期から非連結に移行)の修正(売上高を減額、利益を増額)と配当予想の修正(増額)を発表した。売上高は33億円減額して590億円(前期連結は633億95百万円)、営業利益は6億20百万円増額して12億円(同2億61百万円)、経常利益は10億10百万円増額して15億円(同2億35百万円)、純利益は7億円増額して9億円(同1億98百万円の赤字)とした。
手持ち工事の利益率が改善し、不動産事業における販売用不動産の販売額が想定を上回ったため、大幅な利益増額修正となった。なお配当予想については前回予想に対して2円増額して年間7円(期末一括)とした。前期との比較でも2円の増配となる。建設ビッグプロジェクトなどで受注環境は中期的に良好であり、来期(15年3月期)も高水準の受注残高や完成工事総利益率の改善が寄与して収益拡大が期待される。
なお1月31日に単元株式数の変更を発表している。個人株主をはじめとする投資家層の拡大および当社株式の流動性の一層の向上を目的として、14年4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更する。
株価の動きを見ると、2月28日の今期利益予想と配当予想の増額修正を好感して、翌3月3日には前日比70円(27.03%)高の329円まで急騰して昨年9月高値329円に面合わせの場面があった。3月3日の終値は結局前日比23円(8.88%)高の282円だったが、翌3月4日以降は終値で300円台に乗せて水準切り上げの動きだ。
3月7日の終値306円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS41円46銭で算出)は7〜8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期の連結ベースの実績BPS527円14銭で算出)は0.6倍近辺である。日足チャートおよび週足チャートで見ると窓を空けて急伸したため目先的な過熱感はあるが、240円〜260円近辺のボックスレンジから上放れた形であり、指標面には依然として割安感が強い。上値余地があるだろう。
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2014年03月10日