岐阜県地盤の広告代理店でフリーマガジン発行の中広<2139>(名2)の株価は、徐々に水準を切り上げて短期モミ合いから上放れの動きを強めている。さらに3月7日発表の業績増額修正が刺激材料となって、昨年6月高値を試す展開だろう。期末一括で2%台の配当利回りも注目点だ。
1978年創業で、07年2月名証セントレックス市場に新規上場し、12年12月名証2部市場に上場した。メディア事業と広告SP(セールスプロモーション)事業を展開している。前期(13年3月期)の売上高および売上構成比はメディア事業が30億13百万円で59%、広告SP事業が20億90百万円で41%だった。
メディア事業では、フリーマガジン「地域みっちゃく生活情報誌」を発行するフリーマガジン事業を主力として、企業・行政機関・各種団体が主催する講演会・セミナー・シンポジウム・コンサートなど各種イベントの企画・運営・講師派遣を提供するイベント・セミナー事業、家具販売専門サイト「わくわく家具」運営などのクロスメディア・通信販売事業を展開している。
中期成長戦略として、広告SP事業からメディア事業に経営の重点をシフトし、フリーマガジン「地域みっちゃく生活情報誌」およびイベント・セミナー事業のVC契約による全国展開を進めている。
フリーマガジン「地域みっちゃく生活情報誌」の発行は13年3月末時点で40誌・発行部数245万部で、VC(ボランタリー・チェーン)契約による発行7誌・発行部数47万部を加えると、合計発行47誌・総発行部数292万部となっている。県別には愛知県102万部、岐阜県69万部、三重県48万部、滋賀県32万部など11県で発行している。また地域みっちゃく生活情報総合ポータルサイト「フリモ」の会員数は約7万7000名、掲載店舗数は約1万5300件となっている。
3月7日には、フリーマガジン事業のVC契約先である石巻日日新聞社(宮城県石巻市)が3月11日に「地域みっちゃく生活情報誌 んだっちゃ!」(発行部数5万部)を創刊すると発表した。なおフリーマガジン「地域みっちゃく生活情報誌」の発行は14年3月末時点(予定)で、VC契約を含めて発行エリアが15県、総発行部数が63誌・360万部となるようだ。
3月7日に今期(14年3月期)連結業績見通しの増額修正を発表した。売上高は5億40百万円増額して62億40百万円、営業利益は90百万円増額して4億20百万円、経常利益は1億20百万円増額して4億30百万円、純利益は70百万円増額して2億70百万円の見通しとした。フリーマガジン「地域みっちゃく生活情報誌」の発行エリアと発行部数が拡大して知名度が高まった結果、広告受注が想定以上に増加したようだ。今期から連結財務諸表作成のため単純比較はできないが前期非連結業績との比較で見ると22.3%増収、38.6%営業増益、41.9%経常増益、2.0倍最終増益となる。
株価の動きを見ると、昨年12月下旬に200円近辺まで調整する場面があったが、素早く切り返した。そして1月下旬以降は全般地合い悪化の状況でも概ね250円〜260円近辺で堅調に推移している。さらに3月7日には前日比18円(7.01%)高の275円まで急伸する場面があり、モミ合い上放れの動きも強めている。好業績を評価する動きだろう。
3月7日の終値262円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円62銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(非連結ベースの前期実績BPS120円07銭で算出)は2.2倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形であり、モミ合いから上放れて昨年6月高値298円を試す展開だろう。これを突破すれば一段高の可能性もありそうだ。
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2014年03月10日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】中広はモミ合い上放れ、業績増額修正を好感して昨年来高値試す
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