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2014年03月10日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アートスパークHDは調整の最終局面、今期の収益改善を見直し

 グラフィクス制作支援や電子書籍関連のアートスパークホールディングス<3663>(東2)の株価は安値圏で軟調展開だが、調整のほぼ最終局面だろう。今期の収益改善に見直し余地がありそうだ。

 セルシスとエイチアイが12年4月に統合した持株会社である。電子書籍ビューア「BS Reader」やグラフィクスソリューションなどのコンテンツソリューション事業、グラフィクスコンテンツ制作支援ツールなどのクリエイターサポート事業、3Dグラフィックス描画エンジンなどのUI/UX事業を展開し、両社のグラフィクス技術を結集してシナジー効果を最大化する戦略だ。マンガ制作ソフト「ComicStudio」はデジタル制作マンガのほぼすべてに使用され、01年の販売開始から世界累計出荷本数が160万本を超えている。

 13年11月には子会社セルシスが提供する電子書籍ビューア「BS Reader for Browser」が、インフォコム<4348>グループでキャリア公式メニュー1位独占の「めちゃコミック」を運営するアムタスの新電子書籍配信サービス「ekubostore」に採用された。また13年12月には子会社エイチアイがZMPの第三者割当増資の一部を引き受けた。ZMPが持つロボットカー関連技術で培われた車両情報入出力制御ノウハウと連携して運転支援ソリューションを提供する。

 今期(14年12月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比2.4%増の37億75百万円、営業利益が63百万円(前期は69百万円の赤字)、経常利益が36百万円(同68百万円の赤字)、純利益が同39.3%減の26百万円としている。純利益は法人税等の関係で減益見込みだが、コンテンツソリューション事業での法人向けグラフィクス関連強化、クリエイターサポート事業での国内直販強化などに加えて、製品開発の効率化や原価管理の徹底などで通期営業利益の黒字化を見込んでいる。

 なお2月28日に子会社のエイチアイがエイチアイ関西の株式を取得して孫会社化すると発表した。UI/UX事業における関西地区の事業規模拡大の拠点とする。今期業績見通しには織り込み済みとしている。

 株価の動きを見ると、1月31日発表の前期(13年12月期)連結業績が計画を下回ったことに加えて、全般地合い悪化も影響して急落した。その後も安値圏で軟調展開となり、2月5日に361円、3月3日に357円まで下押す場面があった。ただし足元では400円台を回復する場面があり、失望売りはほぼ一巡したようだ。

 3月7日の終値402円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS3円90銭で算出)は103倍近辺、実績PBR(前期実績のBPS340円55銭で算出)は1.2倍近辺である。週足チャートで見ると急落して26週移動平均線と52週移動平均線を一気に割り込んだが、13年夏の安値圏に接近して下げ渋り感も強めている。調整のほぼ最終局面だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:05 | アナリスト銘柄分析