総合物流サービスのキムラユニティー<9368>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響を受けて急落する場面があったが、下値固め完了感を強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
トヨタ自動車<7203>の補給部品・KD包装、および物流請負を主力とする総合物流サービス企業で、車両リースや車両整備などの自動車サービス事業、情報サービス事業、人材サービス事業、太陽光発電による売電事業なども展開している。
主力の物流サービス事業は、トヨタ自動車の海外生産拡大に合わせて中国など海外展開を加速する。物流請負のNLS(ニュー・ロジスティクス・サービス)では、ネット通販市場の拡大も追い風として既存得意先の物量が増加し、新規得意先開拓や生産性改善も着実に進んでいる。
収益が低迷していた米国子会社は13年7月、カナダの大手自動車部品メーカーMAGNAグループのDRIVE社から物流請負を新規受注し、収益が大幅に改善する見込みだ。その後も請負拡大要請を受けているもようであり、一段の収益拡大が期待される。
今期(14年3月期)連結業績見通しは前回予想(4月26日公表)を据え置いて売上高が前期比4.8%増の406億円、営業利益が同13.9%増の15億50百万円、経常利益が同2.0%増の17億円、純利益が同7.6%増の10億円としている。自動車サービス事業と情報サービス事業がやや低調のようだが、トヨタ自動車の生産台数増加、格納器具製品の受注増加、NLSの生産性改善、米国子会社の収益改善などで主力の物流サービス事業が全体収益を牽引する。
人員確保の面などで不透明感が強いとして通期見通しを据え置いているが、第3四半期累計(4月〜12月)は大幅増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高が74.3%、営業利益が78.8%、経常利益が92.8%、純利益が92.5%と高水準である。また想定為替レートも1米ドル=92円と保守的である。営業外での為替差益も上振れ要因となって通期増額の可能性が高いだろう。
株価の動きを見ると、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて2月4日に910円まで急落する場面があったが、それ以降は概ね930円〜950円近辺で推移している。リスク回避の売りが一巡して下値を固める動きだろう。
3月7日の終値943円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円86銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間22円で算出)は2.3%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS1812円82銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、下ヒゲを付けて下値固め完了感を強めている。また日足チャートで見ると、戻りを押さえていた25日移動平均線を回復して出直り態勢のようだ。低PBRも評価して足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
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2014年03月10日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キムラユニティーは中期成長力評価し押し目買い好機
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:23
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