機械専門商社の第一実業<8059>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響を受けて1月の戻り高値圏から一旦反落したが、足元では出直りの動きを強めている。設備投資需要の増加期待に加えて、足元で4%近辺の高配当利回りも注目点だ。
機械の専門商社でプラント・エネルギー事業、エレクトロニクス事業、産業機械事業を展開している。13年5月発表の新経営計画「AIM2015」では、最終年度16年3月期の売上高1550億円、営業利益57億円、経常利益59億円、純利益37億円を目標値として掲げ、グローバルビジネスを積極展開する方針だ。
新規事業としては、植物工場システムの販売に関するプロジェクトを立ち上げて、埼玉県入間市にパイロットプラントを建設している。また13年11月には長野県飯田市で太陽光発電事業を開始すると発表した。14年3月の運転開始予定で、茨城県笠間市の発電所に続く2カ所目のメガソーラーとなる。
今期(14年3月期)連結業績見通しは前回予想(5月10日公表)を据え置いて、受注高が前期比7.4%増の1350億円、売上高が同1.4%増の1300億円、営業利益が同0.2%増の46億円、経常利益が同2.5%減の48億円、純利益が同1.7%減の30億円としている。アジア地域における電子部品実装関連設備の需要がやや低調だが、自動車関連や製薬関連の設備案件が堅調であり、円安メリットも期待される。さらに来期(15年3月期)は設備投資需要の増加が一段の追い風となりそうだ。
なお株主還元については継続して配当を実施し、06年3月期には配当の基本方針を「安定継続配当」から「業績に応じた適正配当」へ変更し、単体利益に対して30〜50%を配当性向のメドとしている。今期の配当は創立65周年記念配当3円を含めて年間18円(第2四半期末10円済み、期末8円)の予定だ。
株価の動きを見ると、1月16日と1月21日に付けた戻り高値493円から利益確定売りで反落し、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響も受けて2月6日の422円まで調整したが、足元では徐々に水準切り上げの動きを強めている。リスク回避の売りが一巡して出直りの動きのようだ。
3月7日の終値455円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS56円66銭で算出)は8倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は4.0%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS545円78銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺がサポートラインの形だ。また日足チャートで見ると25日移動平均線を回復している。指標面の割安感、特に4%近辺の高配当利回りが注目点となって出直り展開だろう。
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2014年03月10日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】第一実業は出直りの動き、設備投資需要増や高配当に注目
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:28
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