情報サービスのテクマトリックス<3762>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響を受けて戻り高値圏から反落したが、足元では下値固め完了感を強めている。ストック型ビジネスの戦略的拡大を評価する流れに変化はなく、下値を確認して反発のタイミングだろう。期末一括で2%台の配当利回りも注目点だ。
ネットワーク・セキュリティ関連のハードウェアを販売する情報基盤事業、医療・CRM・EC・金融を重点分野としてシステム構築・クラウドサービスを提供するアプリケーション・サービス事業を展開している。ストック型ビジネスの保守・運用・監視サービス関連やクラウドサービス関連を強化し、ビッグデータ分析支援のBI(ビジネス・インテリジェンス)導入支援サービス、大規模EC事業者向けバックオフィスシステム構築ソリューション「楽楽ECインテグレーションサービス」の提供も開始している。
2月10日には、グループ経営を強化して相乗効果の最大化を図るため、連結子会社のクロス・ヘッドを株式交換で完全子会社化すると発表した。株式交換予定日(効力発生日)は3月20日である。2月26日には、連結子会社の沖縄クロス・ヘッドが台湾のデータセンター事業者eASPNetと事業協力についての覚書を締結したと発表している。アジアでのデータセンター事業、クラウド事業、ネットワーク24時間運用監視サービスの展開を目指すとしている。
また2月27日には、当社が販売しているシフトウェア品質向上を支援するParasoft社製テストツールが、NEC<6701>のSI・ソフトウェア開発環境のクラウドサービス「ソフトウェアファクトリ」に採用されたと発表している。NECの「ソフトウェアファクトリ」は14年2月現在、NECグループ世界2万2000人以上が利用しているソフトウェア開発の品質・コスト・納期を改善するクラウド型の国内最大級の開発環境サービスだ。
今期(14年3月期)の連結業績見通しは、前回予想(7月31日に純利益を増額)を据え置いて売上高が前期比4.6%増の175億円、営業利益が同3.7%減の11億50百万円、経常利益が同1.9%減の11億50百万円、純利益が同9.7%増の6億90百万円としている。ストック型ビジネスの戦略的拡大に向けた人件費増加などで営業減益見込みとしているが、売上面では情報基盤事業のサイバー攻撃に対応した負荷分散装置や次世代ファイアウォール製品、アプリケーション・サービス事業のEC関連受託開発が好調である。純利益は繰延税金資産追加計上などで増益見込みだ。
株価の動きを見ると、1月23日に戻り高値となる740円を付けたが、一旦利益確定売りが優勢になり、1月下旬〜2月上旬の全般地合い悪化の影響を受けて2月4日に536円まで調整する場面があった。ただし足元は560円〜590円近辺で推移して下値固め完了感を強めている。
3月7日の終値582円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS57円78銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円50銭で算出)は2.2%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS460円26銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、2月上旬の急落場面では長い下ヒゲを付け、足元では下値固め完了感を強めている。売りが一巡して反発のタイミングだろう。期末一括で2%台の配当利回りも注目点だ。
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2014年03月10日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】テクマトリックスはストック型ビジネスの戦略的拡大を評価
【アナリスト銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:32
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