川崎近海汽船<9179>(東2)の株価は、全般地合い悪化の影響で1月の戻り高値圏から反落したが、その後は下げ渋る動きだ。また2月24日に特別損失発生に伴って今期純利益の減額を発表したが、一時的要因でありネガティブ材料とはならないだろう。3%台の高配当利回りも注目点であり、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
石炭・木材・鋼材輸送などの近海部門と、石炭・石灰石・紙製品・農産品輸送やフェリー輸送などの内航部門、その他事業(北海道地区における不動産賃貸事業など)を展開している。13年5月に発表した中期経営計画では、目標値として16年3月期売上高457億円、営業利益28億円、経常利益26億50百万円、純利益17億円を掲げている。
新規分野として、日本近海における海洋資源開発・探査・掘削設備および洋上再生可能エネルギー設備に関わるオフショア支援船業務に進出する。13年10月にオフショア・オペレーションと均等出資で合弁会社オフショア・ジャパンを設立した。また外航関連では、インド駐在員を新規に置く方針を示している。
2月24日に、特別損失の発生と今期(14年3月期)連結純利益見通しの減額修正を発表した。パナマの子会社が経営効率化に向けて高コスト船を譲渡し、船舶売却損失約6億50百万円を特別損失に計上する。修正後の連結業績見通しは売上高が前期比6.2%増の451億円、営業利益が同5.0%増の18億50百万円、経常利益が同9.3%増の18億円を据え置き、純利益は3億90百万円減額して同29.1%減の7億60百万円とした。純利益は減益見込みに転じたが、営業増益見込みは維持している。
近海部門は市況低迷の影響を受けるが、内航部門はセメント・石灰石・石炭などの輸送量が高水準に推移して不定期船輸送が高稼働だ。内航部門の好調が牽引して燃料価格上昇などを吸収する。第3四半期累計(4月〜12月)の営業利益進捗率は91.6%と高水準であり、通期営業利益再増額の余地を残している。さらに来期(15年3月期)も、震災復興需要の本格化や景気回復を背景として好業績が期待される。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響を受けて1月23日の戻り高値338円から反落した。その後はやや戻りの鈍い展開だが、290円近辺では下げ渋り感を強めている。2月4日の289円、2月6日の289円、3月3日の291円、3月4日の290円と並び、290円近辺で下値支持線を形成した可能性がありそうだ。
3月12日の終値295円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS25円89銭で算出)は11〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間9円で算出)は3.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS741円49銭で算出)は0.4倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインの形だ。好業績や指標面の割安感を評価する流れに変化はなく、足元の調整局面は押し目買いの好機だろう。
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2014年03月13日
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:07
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