ファッション専門店のセキド<9878>(東2)の株価は、全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げたが、調整のほぼ最終局面だろう。収益改善基調や低PBRが支援材料であり、前期(14年2月期)決算発表が接近して今期(15年2月期)業績に対する期待感が高まる可能性もあるだろう。
12年10月に家電の店舗販売事業から撤退してファッション専門店事業に経営資源を集中し、海外ブランド品やオリジナルブランド品を扱うファッション専門店「GINZA LoveLove(ギンザ・ラブラブ)」を直営で展開している。13年11月時点の店舗数は24店舗となった。成長分野であるネット通販についてはストリーム<3071>と業務提携し、さらに14年3月には積極的な事業拡大に向けてEC事業部を新設すると発表した。
中期的な成長戦略としては「GINZA LoveLove」のブランディング戦略強化を掲げ、高額の海外ブランド品、中・低価格帯のオリジナルブランド品、アウトレットブランド品、そしてネット通販では富裕層向けに重点を置いた品揃えを強化している。さらに収益力改善に向けて、新規出店、既存店リニューアル、チラシ一新よる販促強化、滞留在庫削減、機会ロス低減などに取り組み、新業態店舗や海外向け卸売業態の展開なども検討するようだ。
前期(14年2月期)の業績(非連結)見通し(9月30日に営業利益を減額、経常利益と純利益を増額)については、売上高が前々期比17.7%減の123億円だが、営業利益は93百万円(前々期は2億88百万円の赤字)、経常利益は1億06百万円(同2億80百万円の赤字)、純利益は1億51百万円(同12億83百万円の赤字)の黒字化見込みとしている。
高額消費活発化も追い風となって、海外ブランド品や好採算のオリジナルブランド「ポメランジェ」の販売が好調のようだ。新規出店や既存店リニューアル、販促強化、ネット通販強化、滞留期間短縮による商品在庫の鮮度アップ、売れ筋商品の機会ロス低減への取り組みなどの効果で、営業損益が大幅に改善する見込みだ。今期(15年2月期)は、一時的要因として消費増税の影響が懸念されるが、ブランディング戦略強化や滞留在庫削減の効果が寄与して営業損益が一段と改善するだろう。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響を受けて水準を切り下げ、足元では3月24日と3月25日に114円まで調整して2月安値116円を割り込む場面があった。ただし一段と下押す動きは見られず、調整のほぼ最終局面だろう。
3月26日の終値116円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想EPS10円65銭で算出)は10〜11倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.9%近辺、実績PBR(前々期実績BPS253円58銭で算出)は0.5倍近辺である。週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んだが、52週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。収益改善基調や低PBRが支援材料であり、決算発表に向けて今期業績に対する期待感が高まる可能性もあるだろう。
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2014年03月27日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは調整の最終局面、決算発表接近し期待感高まる可能性
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