エージェンシー事業のクリーク・アンド・リバー社<4763>(JQS)の株価は、全般地合い悪化も影響して水準を切り下げたが、昨年9月安値に接近して調整のほぼ最終局面だろう。4月3日予定の前期(14年2月期)業績発表が接近して期待感も高まり、反発の動きを強めそうだ。
日本のクリエイティブ分野(映像・テレビ番組・ゲーム・Web・広告などの制作分野で活躍するクリエイターを対象としたエージェンシー事業および制作請負事業)を主力として、韓国のクリエイティブ分野、さらに医療・IT・法曹・会計などの分野でもエージェンシー事業を展開している。
新規分野として電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業などにも進出している。13年12月にはアパレル業界に特化した人材派遣会社インター・ベルを連結子会社化した。ファッションクリエイター・エージェンシー事業の成長を加速させる戦略だ。
前期(14年2月期)の連結業績見通しは、売上高が前期比14.1%増の200億円、営業利益が同20.9%増の12億円、経常利益が同15.9%増の12億円、純利益が同64.4%増の5億50百万円としている。クリエイティブ分野(日本)がテレビ番組制作受託の増加などで好調に推移して全体を牽引する。増収効果で新規分野の先行費用などを吸収して大幅営業増益見込みだ。
来期(15年2月期)についても、高付加価値のテレビ番組制作受託が増加基調であり、IT分野の事業再構築の効果も寄与して増収増益が期待される。前期は費用が先行した電子書籍・海外版権エージェント事業、作家エージェント事業、オンラインクリエイター事業、建築エージェンシー事業、ファッションクリエイター・エージェンシー事業といった新規分野も、来期以降に順次収益化する見込みだ。中期的にも収益拡大基調だろう。
株価の動きを見ると、2月4日の363円から切り返しの動きとなり、2月25日には447円まで戻したが、地合い悪化も影響して再び水準切り下げの展開となった。足元では3月26日に361円まで調整して2月安値を割り込んだ。ただし、子会社の不適切取引が発覚して急落した昨年9月安値354円に接近して、調整のほぼ最終局面だろう。
3月27日の終値364円を指標面で見ると、前期推定連結PER(会社予想の連結EPS25円55銭で算出)は14〜15倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間4円で算出)は1.1%近辺、実績PBR(前々期実績の連結BPS162円60銭で算出)は2.2倍近辺である。日足チャートで見ると、25日移動平均線に対するマイナス乖離率が10%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。前期業績発表が接近して反発の動きを強めそうだ。
>>クリーク・アンド・リバー社のMedia−IR企業情報
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!
2014年03月28日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】クリーク・アンド・リバーは調整最終局面、業績発表接近で期待感も
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:03
| アナリスト水田雅展の銘柄分析