電設資材商社のトシン・グループ<2761>(JQS)の株価はボックスレンジから上放れて強基調に転換したようだ。短期調整を挟みながら上値を試す展開だろう。第3四半期累計(5月21日〜2月20日)の業績発表が接近して期待感が高まり、低PBRや自己株式取得も支援材料だ。
首都圏を中心として、電設資材や住宅設備機器などの卸売事業を展開する持株会社である。公共投資の増加、新設住宅着工件数の増加、リフォーム需要の増加などが追い風であり、取扱商品や営業拠点網の拡充などで事業基盤を強化している。
今期(14年5月期)連結業績見通しは売上高が前期比4.1%増の450億円、営業利益が同8.6%増の26億50百万円、経常利益が同7.0%増の35億10百万円、純利益が同0.1%増の19億80百万円としている。北関東の営業拠点網拡充、独自サービスとサポート体制の強化なども寄与してLED照明器具やエアコンなどの販売が順調に推移する。本社移転に伴うシステム関連費用増加などを増収効果で吸収して営業増益見込みだ。
通期見通しに対する第2四半期累計(13年5月21日〜11月20日)の進捗率は売上高が51.2%、営業利益が50.2%、経常利益が50.3%、純利益が53.1%と概ね順調な水準だった。好業績が期待されるだろう。
13年8月5日発表の自己株式取得(取得株式総数の上限60万株、取得価額総額の上限15億円、取得期間13年8月6日〜14年7月31日)については、3月26日に東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT−3)によって5200株を取得し、3月26日時点の累計で取得株式総数44万9000株、取得価額総額10億7041万7400円となった。
株価の動きを見ると、2月下旬に動意付いて2200円〜2400円近辺のボックス展開から上放れの動きを強めた。3月3日には2619円まで上伸して13年5月の2650円に接近する場面があった。足元は利益確定売りで一旦反落したが、概ね2400円〜2500円近辺で堅調に推移している。
3月27日の終値2470円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS202円38銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間52円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS3241円85銭で算出)は0.8倍近辺である。週足チャートで見ると戻り高値圏から一旦反落したが、13週移動平均線が上向きに転じてサポートラインとなりそうだ。ボックスレンジから上放れて強基調に転換した形であり、短期調整を挟みながら上値を試す展開だろう。指標面での低PBRや需給面で自己株式取得も支援材料だ。
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2014年03月28日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】トシン・グループはボックス低PBRや自己株式取得も支援材料
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:14
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