中堅ゼネコンの大和小田急建設<1834>(東1)の株価は急騰後の短期調整一巡感を強めている。中期的に事業環境は良好であり、指標面には依然として割安感が強い。目先的な過熱感が解消して高値を目指す展開だろう。
大和ハウス工業<1925>と小田急電鉄<9007>が主要株主の中堅ゼネコンで、マンション建築、宅地開発、鉄道関連などの工事などを主力としている。公共インフラ補修・更新工事や耐震化工事などの国土強靭化計画関連、20年東京夏季五輪関連、リニア中央新幹線関連など建設ビッグプロジェクトが目白押しであり、中期的に事業環境は明るい。
今期(14年3月期)業績(今期から非連結に移行、2月28日に売上高を減額、利益を増額修正)は、売上高が590億円(前期連結は633億95百万円)、営業利益が12億円(同2億61百万円)、経常利益が15億円(同2億35百万円)、純利益が9億円(同1億98百万円の赤字)としている。完成工事総利益率の改善が牽引する。不動産事業で販売用不動産の販売額が想定を上回ったことも寄与して、実質的に大幅増益見込みだ。
建設ビッグプロジェクトなどで受注環境は中期的に良好である。来期(15年3月期)も高水準の受注残高や、完成工事総利益率の改善が寄与して収益拡大が期待される。
なお1月31日に単元株式数の変更を発表している。個人株主をはじめとする投資家層の拡大、および当社株式の流動性の一層の向上を目的として、14年4月1日付で単元株式数を500株から100株に変更する。
株価の動きを見ると、2月28日の今期利益予想と配当予想の増額修正を好感し、3月3日に329円まで急騰して13年9月高値329円に面合わせの場面があった。その後は利益確定売りや全般地合い悪化の影響で3月17日の275円まで反落したが、足元では下げ渋り感を強めている。
3月27日の終値284円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS41円46銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円で算出)は2.5%近辺、そして実績PBR(前期の連結ベースの実績BPS527円14銭で算出)は0.5倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線が接近して目先的な過熱感が解消し、サポートラインの形だ。指標面には依然として割安感が強く、短期調整が一巡して高値を目指す展開だろう。
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2014年03月28日
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