鉄鋼・非鉄金属関連商社の神鋼商事<8075>(東1)の株価は全般地合い悪化の影響を受けたが、足元では下値を確認して反発の動きを強めている。指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。
鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う商社である。13年6月発表の中期経営計画(14年3月期〜16年3月期)では、数値目標として16年3月期の売上高1兆円、経常利益90億円、海外取引比率40%以上を掲げている。神戸製鋼所<5406>グループの中核となるグローバル商社を目指して、グローバルビジネスを加速させる方針だ。
3月3日には、メキシコにおける線材二次加工拠点(冷間圧造用鋼線製造・販売)としての合弁会社設立について、当社、神戸製鋼所、メタルワン、大阪精工、米Republic Steelの5社共同で検討を開始すると発表した。15年半ばの稼動を目指して事業計画に関する協議・検討を行う。
今期(14年3月期)連結業績見通し(9月13日に売上高、営業利益、純利益を減額、経常利益を増額修正)は売上高が前期比10.4%増の8500億円、営業利益が同6.3%増の58億円、経常利益が同9.1%増の53億円、純利益が同54.2%増の29億円としている。機械・情報で大型案件が一巡し、中国やインドでの新規事業の創業費用も発生するが、自動車生産や粗鋼生産の増加を背景として鉄鋼・鉄鋼原料・非鉄金属などが好調に推移している。純利益については過年度法人税一巡が寄与する。
第3四半期累計(4月〜12月)の進捗率は売上高が73.7%、営業利益が69.9%、経常利益が70.2%、純利益が63.4%であり、概ね順調な水準だった。来期(15年3月期)も、自動車生産や粗鋼生産関連の好調が続き、機械・情報も設備投資需要の回復が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、全般地合い悪化の影響を受けて1月高値243円から反落後は概ね200円〜215円近辺で推移している。足元では3月24日と3月25日に200円を付ける場面があった。ただし2月安値198円を割り込まずに反発し、3月28日には209円まで戻している。下値を確認したようだ。
3月30日の終値209円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円75銭で算出)は6〜7倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS335円84銭で算出)は0.6倍近辺である。週足チャートで見ると一旦割り込んだ52週移動平均線を素早く回復した。サポートラインを確認した形であり、指標面の割安感も評価して出直り展開だろう。
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2014年03月31日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】神鋼商事は下値を確認して反発の動き、割安感も評価して出直り
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