精密部品加工のマルマエ<6264>(東マ)の株価は全般地合い悪化も影響して水準を切り下げた。ただし下値支持線に到達して反発のタイミングだろう。3月28日に発表した業績見通し増額修正も刺激材料となりそうだ。
半導体やFPD(フラットパネルディスプレー)などの製造装置に使用される真空部品や電極などの精密加工事業を展開し、新規分野として光学装置分野も強化している。
3月28日に、今期(14年8月期)の第2四半期累計(9月〜2月)および通期の業績(非連結)見通しの増額修正を発表した。2月27日に次いで第2四半期累計見通しは3回目、通期見通しは2回目の増額修正となる。
通期の見通しは、売上高については前回予想を据え置いて前期比16.2%増の13億50百万円だが、営業利益は20百万円増額して同4.8%減の1億20百万円、経常利益は20百万円増額して同18.0%減の1億05百万円、純利益は22百万円増額して同38.3%増の1億12百万円とした。
受注は半導体分野が好調に推移し、光学分野の新規案件も寄与する。さらに第2四半期累計において、将来の損失可能性を見積もっていた受注損失引当金の計上額が、見込みより減少したようだ。この結果、営業利益と経常利益は減益幅が縮小し、純利益は増益幅が拡大する見込みだ。そして修正後の第2四半期累計の利益は通期見通しをほぼ達成している。受注は回復傾向であり、通期3回目の増額の可能性があるだろう。
14年2月度の月次受注残高(速報値)は、FPD分野が8百万円、半導体分野が72百万円、その他が1億91百万円、合計が2億72百万円(前月比16.5%減少、前年同月比45.9%増加)である。半導体分野の受注・出荷検収が好調に推移している。さらに光学分野も受注が好調で、出荷検収が開始された。今後の見通しとしては、停滞していたFPD分野は3月に入って改善傾向であり、半導体分野は受注品種・数量とも増加傾向のようだ。
株価の動き(14年3月1日付けで株式100分割)を見ると、2月27日に業績見通し増額修正を好感して850円まで急伸する場面があったが、その後は全般地合い悪化の影響で反落し、3月24日には560円まで調整する場面があった。ただし560円近辺では下げ渋りの動きとなり、3月28日には594円まで急反発している。下値を確認して出直り態勢のようだ。
3月28日の終値594円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS64円19銭で算出)は9〜10倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線を割り込んだが、550円〜560円近辺の下値支持線に到達して反発のタイミングだろう。
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2014年03月31日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】マルマエは反発のタイミング、業績見通し増額修正も刺激材料
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 06:58
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