医療機器商社の日本エム・ディ・エム<7600>(東1)の株価は、全般地合い悪化の影響などで1月戻り高値圏から反落したが、2月安値を割り込むことなく足元では調整一巡感を強めている。収益改善基調を評価して出直り展開だろう。
人工関節、脊椎固定器具、骨接合材料など整形外科分野を主力とする医療機器商社である。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約が前期(13年3月期)に終了して一時的に収益が悪化したが、米国子会社オーソデベロップメント(ODEV)社製品の拡販と、それに伴う自社製品比率上昇による売上総利益率上昇などで収益改善基調だ。
13年6月に米ODEV社製造の脊椎固定器具の薬事承認を取得した。さらに13年11月には米ODEV社製造の人工膝関節新製品が米国食品医薬品局(FDA)薬事承認を取得した。14年1月から米国で販売開始して14年3月期連結業績に寄与する。米ODEV社製造の人工膝関節製品は中国でも薬事承認を取得しているため、日本や中国の高齢化社会到来を背景に収益拡大が期待される。
今期(14年3月期)の連結業績見通し(5月8日公表)は、売上高が前期比15.6%増の94億円、営業利益が5億40百万円(前期は1億52百万円の赤字)、経常利益が4億40百万円(同3億95百万円の赤字)、純利益が2億円(同3億97百万円の赤字)の黒字としている。ジョンソン・エンド・ジョンソンとの販売契約終了の影響が一巡し、米ODEV社製品の日本と米国での販売好調、そして自社製品比率上昇による売上総利益率上昇などで営業損益が大幅に改善する。
さらに来期(15年3月期)についても、米ODEV社製の人工関節や脊椎固定器具が好調に推移し、骨接合材料新製品「MODE」の日本での拡販も進展する。自社製品比率の上昇も寄与して一段の収益改善が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、1月の戻り高値圏330円〜350円近辺から全般地合い悪化の影響で水準を切り下げ、2月4日と2月5日の276円まで調整した。その後も反発力が鈍く概ね280円〜300円近辺で推移している。ただし2月安値を割り込むことなく、3月28日には298円まで戻した。調整が一巡してモミ合いから上放れる動きのようだ。
3月28日の終値298円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円56銭で算出)は39倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間5円で算出)は1.7%近辺、そして実績PBR(前期実績の連結BPS409円58銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると52週移動平均線近辺から反発の動きを強めている。サポートラインを確認した形であり、調整が一巡して出直り展開だろう。
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2014年03月31日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】日本エム・ディ・エムは収益改善基調を評価して出直り展開
【アナリスト水田雅展の銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:02
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