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2014年05月30日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは、今期営業損益改善見通しを再評価

 ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、概ね80円台でモミ合う展開が続いているが、足元では下値固め完了感を強めている。今期(14年12月期)の営業損益改善見通しを再評価して反発のタイミングだろう。

 世界23カ国・39連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。

 14年4月には、米国子会社アライドテレシスが提供するソリューションがパナソニック・ブラジル社とのパートナーシップのもと、2014年サッカーW杯・ブラジル大会が開催されるマトグロッソ州クイアバのスタジアム「アレーナ・パンタナーレ」のICTインフラに採用されたと発表している。

 5月12日に発表した今期(14年12月期)第1四半期(1月〜3月)の連結業績は、売上高が前年同期比8.3%増の59億04百万円で、営業利益が15億50百万円の赤字(前年同期は18億59百万円の赤字)だった。営業赤字幅が縮小した。経常利益は18億52百万円の赤字(同10億53百万円の赤字)、純利益は17億63百万円の赤字(同10億46百万円の赤字)だった。

 日本市場の好調などで増収となり、増収に伴う売上総利益の増加で営業赤字幅が縮小した。経常利益と純利益は、期初時点に比べてドル安・円高となったため、海外資産に係る為替差損計上で赤字幅が拡大した。

 所在地別売上高(外部顧客)を見ると、日本は医療機関など既存顧客からの追加受注が好調で同12.7%増の26億73百万円だった。米州は中南米の医療機関向けなどが伸長したが、米国政府の緊縮予算の影響で同1.4%減の12億52百万円だった。EMEA(欧州・中東・アフリカ)は代理店間接販売が好調で同10.3%増の14億09百万円だった。アジア・オセアニアはニュージーランドの学校ネットワーク更新の継続案件や、韓国の監視カメラソリューションなどが寄与して同7.0%増の5億68百万円だった。

 通期連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円、想定為替レートは1米ドル=105円としている。ソリューション販売の強化、米国における政府系案件の受注増加、国内におけるIT関連投資の需要増加、円安に伴う国内販売価格の改定、在庫の適正化、社内ITインフラ投資一巡による経費削減などで、営業損益の大幅改善を見込んでいる。

 株価の動きを見ると、3月4日に発表した自己株式消却を好感して3月5日に101円まで上伸する場面もあったが買いが続かず、概ね80円台でモミ合う展開が続いている。また5月21日には全般地合い悪化も影響して76円まで下押す場面があったが、足元では80円台に戻している。上値は重いが下値も固まったようだ。

 5月29日の終値82円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は94倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.4%近辺、そして前期実績PBR(前期実績の連結BPS94円16銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、下値固めが完了して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:39 | アナリスト銘柄分析