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2014年06月18日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティー・ワイ・オーは高配当利回りも注目材料で1月高値目指す

 TV−CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東1)の株価は、3月安値149円から徐々に水準を切り上げている。足元は概ね170円台で推移して戻り歩調の形だ。7月期末一括で3%台の高配当利回りも注目され、今期(14年7月期)増収増益見通しを評価して1月高値209円を目指す展開だろう。

 TV−CM事業(広告代理店向けのTV−CM企画・制作およびポスト・プロダクション業務)を主力として、マーケティング・コミュニケーション事業(広告主向けWEB広告およびプロモーションメディア広告の企画・制作、クロスメディア広告業務)、その他事業(アニメーションおよびミュージックビデオの企画・制作など)も展開している。

 13年9月に発表した新中期経営計画では、目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円を掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示している。海外展開は「ASEAN+インド」でのクリエイティブ企業のネットワーク構築を目指し、現地の独立系エージェンシーに対するM&Aを検討しているようだ。

 6月11日に発表した今期(14年7月期)第3四半期累計(13年8月〜14年4月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.5%増の191億72百万円、営業利益が同6.9%増の12億48百万円、経常利益が同0.1%増の10億64百万円、純利益が同35.8%減の4億06百万円だった。

 純利益は、営業外費用でのシンジケートローン契約の締結による一時的費用(95百万円)の計上、特別損失での貸倒引当金繰入額(1億02百万円)の発生、さらに法人税等の増加で減益だったが、広告市場の拡大や消費増税前の駆け込み需要なども追い風となり、主力のTV−CM事業が好調に推移して増収営業増益だった。財務面ではネット有利子負債を57百万円まで圧縮し、今期末の実質無借金の達成が視野に入った。

 セグメント別に見ると、TV−CM事業は売上高が同9.7%増の143億97百万円、営業利益が同16.3%増の26億26百万円だった。消費増税前の駆け込み需要を取り込み、飲料、電気・情報通信、自動車、衣料などの業界を中心に受注が好調だった。案件単価が堅調に推移したことに加えて、厳格な売上原価管理、販管費の抑制も寄与して増収増益だった。

 マーケティング・コミュニケーション事業は売上高が同2.3%減の38億38百万円で、営業利益が1億48百万円の赤字(前年同期は43百万円の赤字)だった。13年5月にテオーリア事業を譲渡したため減収だが、既存事業ベースでは新規顧客獲得などが寄与して増収だった。利益面では一部大型案件で制作費が想定を超え、一部業務の外部委託も増加して赤字幅が拡大した。その他事業は売上高が同1.5%減の9億36百万円、営業利益が同4.0%増の95百万円だった。

 通期の見通しについては、前回予想(13年9月12日公表)を据え置いて売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円としている。配当予想も前回予想の年間6円(期末一括=普通配当3円+上場市場変更記念配当3円)で据え置いた。前期との比較で3円増配となる。

 TV−CM事業は自動車、電気・情報通信、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続いている。大型案件や大口広告主からの直接受注も増加傾向のようだ。コスト面では利益管理を徹底して売上原価と販管費の削減を強化し、人件費の先行投資一巡も寄与する。営業外での市場変更関連・株式売出し関連費用などを吸収して増収増益見込みだ。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が72.4%、営業利益が73.4%、経常利益が69.1%、純利益が45.6%と概ね順調な水準であり、通期ベースで好業績が期待される。広告市場は拡大基調であり、国内のTV−CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めているようだ。景気回復や20年東京夏季五輪開催も追い風となるため、事業環境は中期的に良好だろう。

 株価の動き(13年10月25日付でJASDAQ市場から東証2部市場に市場変更、14年1月30日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、3月安値149円から徐々に水準を切り上げて戻り歩調だ。6月9日には178円まで戻す場面があり、足元も概ね170円台で推移している。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。

 6月17日の終値176円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は11〜12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.5倍近辺である。週足チャートで見ると徐々に下値を切り上げて、13週移動平均線に続いて26週移動平均線も突破した。強基調への転換を確認した形であり、高配当利回りも評価して1月高値209円を目指す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:23 | アナリスト水田雅展の銘柄分析