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2014年06月18日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ビー・エム・エルは高値圏モミ合い上放れのタイミング

 受託臨床検査大手のビー・エム・エル<4694>(東1)の株価は、高値圏3800円〜4000円近辺でモミ合う展開だが、上昇トレンドを継続して足元ではレンジ下限から反発の動きを強めている。短期的な自律調整が一巡してモミ合い上放れのタイミングのようだ。収益基盤の一段の強化を評価して上値追いの展開だろう。

 臨床検査事業を主力として、腸内細菌検査や食品衛生コンサルティングなどの食品衛生検査事業、電子カルテなどの医療情報システム事業、そしてSMO(治験支援)事業も展開している。事業基盤強化と収益力向上に向けてM&Aの活用、クリニック・病院市場の新規顧客開拓、重点検査項目の拡販、子会社の経営合理化などを推進している。食品衛生検査事業は「食の安全」意識の高まりが追い風であり、医療情報システム事業では電子カルテ「クオリス」のブランド向上に向けた取り組みを強化している。

 13年12月には中国・上海における合弁会社(上海千麦博米楽医学検験所有限公司)の設立を発表した。現地で臨床検査センター運営の実績を持つ上海千麦医療投資管理有限公司、上海新虹橋国際医学中心建設発展有限公司との3社合弁で、中国でも臨床検査受託事業を展開する。

 今期(15年3月期)連結業績見通し(5月12日公表)については売上高が前期比2.0%増の1010億円、営業利益が同0.1%増の82億円、経常利益が同1.0%減の85億円、純利益が同1.8%減の49億円としている。配当予想は記念配当を実施して同10円増配の年間60円(第2四半期末25円、期末35円)(期末35円=普通配当25円+記念配当10円)としている。

 今期は診療報酬改定に伴って取引先からの値下げ圧力が一段と強まり、競争も激化するとして、売上高、利益とも前期比横ばい見通しとしている。しかし会社見通しは保守的な印象が強く上振れ余地があるだろう。

 主力の臨床検査事業ではクリニック市場の新規顧客開拓、首都圏のラボ拠点再編・整備、ピロリ菌関連検査やアレルギー検査など重点検査項目の拡販、子会社の第一岸本臨床検査センターの収益改善などの重点戦略が寄与する。また食品衛生事業では腸内細菌検査やノロウイルス検査などの拡販、新検査センター開設(14年5月、埼玉県川越市)による検査領域・検査数量の拡大、厚生労働省の「登録検査機関」の資格取得、医療情報システム事業では電子カルテ「クオリス」の拡販、海外事業では上海における合弁事業の本格稼働などが寄与して、収益基盤が一段と強化されるだろう。

 株価の動きを見ると、4月1日に4015円、5月9日に4050円、5月26日に4070円と高値を更新したが、4000円台ではやや上値が重くなり、4月以降は概ね3800円〜4000円近辺でのモミ合い展開のようだ。ただし6月17日は前日比90円高の3940円まで反発する場面があった。レンジ下限から反発の形であり、短期的な自律調整一巡感を強めている。

 6月17日の終値3890円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS230円72銭で算出)は16〜17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.5%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2598円60銭で算出)は1.5倍近辺である。週足チャートで見ると3月直近安値3250円から急反発後は、13週移動平均線がサポートラインとなって上昇トレンドを維持している。短期的な自律調整が一巡してモミ合い上放れのタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:27 | アナリスト銘柄分析