ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、5月21日の年初来安値76円から切り返しの展開となり、6月23日には85円まで戻して出直りの動きを強めている。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、今期(14年12月期)の営業損益改善を評価して出直りの動きが本格化しそうだ。
世界23カ国・39連結子会社を統括する純粋持株会社で、ネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。
14年4月には、米国子会社アライドテレシスが提供するソリューションがパナソニック・ブラジル社とのパートナーシップのもと、2014年サッカーW杯・ブラジル大会が開催されるマトグロッソ州クイアバのスタジアム「アレーナ・パンタナーレ」のICTインフラに採用されたと発表している。
今期(14年12月期)連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて、売上高が前期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円で、配当予想は同1円減配の年間2円(期末一括)としている。
想定為替レートは1米ドル=105円で、ソリューション販売の強化、米国における政府系案件の受注増加、国内におけるIT関連投資の需要増加、円安に伴う国内販売価格の改定、在庫の適正化、社内ITインフラ投資一巡による経費削減などで、営業損益の大幅改善を見込んでいる。なお8月11日に第2四半期累計(1月〜6月)の業績発表を予定している。
株価の動きを見ると、自己株式消却を好感して3月5日に101円まで上伸する場面もあったが買いが続かず、その後は概ね80円台でモミ合う展開となった。全般地合い悪化も影響して5月21日には年初来安値となる76円まで下押す場面があった。しかし5月21日安値から切り返しの展開となり、6月23日には85円まで戻して出直りの動きを強めている。5月安値で底打ちした可能性があるだろう。
6月23日の終値85円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87銭で算出)は98倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.4%近辺、そして前期実績PBR(前期実績の連結BPS94円16銭で算出)は0.9倍近辺である。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ても、戻りを押さえていた13週移動平均線を突破し、続いて26週移動平均線に接近している。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、出直りの動きが本格化しそうだ。
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2014年06月24日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは5月安値で底打ちして強基調に転換
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:34
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