建設用仮設機材のエスアールジータカミヤ<2445>(東2)の株価は、1月高値1763円から反落後は上値がやや重くなり、足元は概ね1400円〜1500円近辺のレンジで推移している。ただし下値は限定的で煮詰まり感も強めている。中期成長力を評価する流れに変化はなく、ボックス上放れのタイミングだろう。
建築・土木・橋梁用仮設機材や、子会社ホリーの太陽光パネル設置架台などの販売・レンタル事業を展開し、14年4月には土木・建築用仮設資材のアサヒ工業(大阪市)を子会社化した。同社が豊富な実績を持つ海洋土木・港湾分野への事業展開でシナジー効果を高める方針だ。戦略商品としては、施工性に優れて作業環境改善・作業効率向上につながる次世代足場「Iq(アイ・キュー)システム」の拡販を推進している。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月9日公表)については、売上高が前期比11.1%増の360億30百万円、営業利益が同25.8%増の38億40百万円、経常利益が同23.1%増の37億円、そして純利益が同25.9%増の22億27百万円で、配当予想は同7円増配の年間20円(第2四半期末7円、期末13円)としている。
今期から本格寄与する新名神高速道路関連なども加わって、受注残高は高水準であり、クランプ、クサビ式住宅用足場、移動昇降式足場(リフトクライマー)、ソーラー向け太陽光パネル設置架台などの需要が好調に推移する。レンタル資産の稼働率向上・効率的運用、販管費圧縮などの効果も寄与する。工事現場における人手不足の影響は小さいだろう。期初時点では保守的な会社見通しを公表する傾向も強いだけに上振れ余地があるだろう。
震災復興、社会インフラ補修・更新、首都圏を中心とした都市再開発、学校や高層マンションの耐震補強、20年東京夏季五輪などを追い風として事業環境は良好であり、中期的に収益拡大基調だろう。
14年5月には中期経営計画(15年3月期〜17年3月期)を発表した。基本方針をグループ経営基盤の強化、高収益体制の確立、新たな成長事業の創出として、目標数値には最終年度17年3月期の売上高450億円、営業利益52億円、経常利益50億円、純利益31億円、経常利益率10%以上、自己資本比率35%、ROE2桁台維持などを掲げている。
株価の動きを見ると、1月高値1763円から反落後は全般地合い悪化も影響して上値が重くなった。徐々にレンジを縮めながらボックス展開が続き、足元は概ね1400円〜1500円近辺のレンジで推移している。ただし下値は限定的であり、煮詰まり感も強めている。
6月26日の終値1418円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS99円82銭で算出)は14〜15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間20円で算出)は1.4%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS426円48銭で算出)は3.3倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線を挟んで三角保ち合いの形だが、煮詰まり感を強めている。右肩上がりの26週移動平均線が接近してボックス上放れのタイミングだろう。
>>エスアールジータカミヤのMedia−IR企業情報
◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!




2014年06月27日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】エスアールジータカミヤ煮詰まり感強めボックスから上放れのタイミング
【アナリスト銘柄分析の最新記事】
提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:33
| アナリスト銘柄分析