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2014年06月27日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ANAPは5月安値から切り返して急動意

 レディス向けカジュアル衣料・雑貨のANAP<3189>(JQS)の株価は、5月21日安値663円から切り返して6月中旬には急動意の展開となり、6月18日に1179円まで上値を伸ばす場面があった。目先的な過熱感で一旦は反落したが、その後も900円台で堅調に推移している。今期の収益悪化を織り込んで底打ち反転した形であり、出直り展開だろう。

 10代〜20代の女性を中心に幅広い年齢層から支持されているレディス向けカジュアル衣料・雑貨「ANAP(アナップ)」を基幹ブランドとして、特徴の異なるサブブランドも並行展開している。ブランド認知度の高さ、新鮮な品揃え、多品種・小ロット販売などを特徴としている。

 販売は、全国のショッピングセンターなどに出店する店舗販売、自社ECサイト「ANAPオンラインショップ」でのネット販売、全国のセレクトショップ向け卸売販売を展開している。前期(13年8月期)の事業別売上構成比は店舗販売66%、ネット販売26%、卸売販売8%で、ブランド別売上構成比はレディスカジュアル78%、キッズ・ジュニア18%、雑貨・メンズ4%である。なお店舗販売は14年2月末時点で全国94店舗を展開している。

 成長に向けた重点戦略としては、スタートトゥデイ<3092>が運営する「ZOZOTOWN」「LABOO」への出店、新規ブランド「ANAP SCHOOL」「ANAP BOY」の投入、ショッピングセンターへの新規出店と「KIDS」ブランドによる親子購買の取り込みなどを推進している。14年5月には、クルーズ<2138>が運営するファストファッションサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」にも新規オープンした。

 今期(14年8月期)業績(非連結)見通し(4月11日に減額修正)は売上高が前期比7.9%増の92億66百万円、営業利益が0百万円(前期は4億02百万円の利益)、経常利益が同98.4%減の10百万円、純利益が54百万円の赤字(同2億61百万円の利益)とした。

 13年秋の残暑や台風、14年2月の大雪など天候不順の影響で第2四半期累計(9月〜2月)の売上高が計画を下回り、秋冬物のセール販売増加による粗利益率低下、物流業務効率化を目的としたアウトソーシング費用増加なども影響して営業損益が悪化した。

 下期(3月〜8月)は経営体質改善や業績回復に向けて、経費削減およびネット通販事業を一段と強化する方針だが、第2四半期累計での営業赤字の影響が残り、純利益については不採算店舗の減損損失計上も影響するようだ。来期(15年8月期)は抜本的対策が本格寄与して収益改善が期待されるだろう。

 株価の動き(13年11月公開価格1000円に対して初値5100円、高値13年11月5360円)を見ると、IPO人気一巡後は軟調展開が続き、5月21日には663円まで下落する場面があった。しかし5月21日安値から切り返して6月中旬に急動意の展開となった。6月18日には1179円まで上値を伸ばす場面があった。目先的な過熱感で一旦は反落したが、その後も900円台で堅調に推移している。底打ちして出直る動きのようだ。

 6月26日の終値は941円だった。日足チャートで見ると25日移動平均線を突破して上伸した。また週足チャートで見ると13週移動平均線を突破した。今期の収益悪化を織り込んで底打ち反転した形であり、26週移動平均線を突破すれば出直りの動きに弾みがつきそうだ。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:43 | アナリスト銘柄分析