貴金属リサイクル事業の松田産業<7456>(東1)の株価は、5月安値1117円から反発して戻り歩調の展開だ。6月20日には1263円まで上値を伸ばす場面があり、徐々に水準を切り上げている。5月安値で底打ちして強基調に転換した形であり、低PBRも支援材料となって出直り展開だろう。
貴金属リサイクルを主力とする貴金属関連事業、および農林水産品を扱う食品関連事業を展開している。貴金属関連事業は「東アジアNO.1リファイナー」を目指して、海外拠点強化、国内拠点拡充・効率化、製品・技術開発を基本戦略としている。海外は中国、台湾、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムに拠点展開し、ベトナムでは14年3月に現地法人を設立して工場建設に着手した。食品関連事業は中国、タイに拠点展開している。
今期(15年3月期)の連結業績見通し(5月12日公表)は売上高が前期比2.8%増の1700億円、営業利益が同4.4%増の47億円、経常利益が同2.2%増の50億円、純利益が同2.4%増の32億70百万円で、配当予想は前期と同額の年間24円(第2四半期末12円、期末12円)としている。
セグメント別の計画を見ると、貴金属関連事業は需要が底打ちして回復に向かい売上高が同1.6%増の1200億円、営業利益が同4.9%増の39億円、食品関連事業は水産品・畜産品の販売数量増加で売上高が同5.7%増の500億円、営業利益が同1.9%増の8億円としている。
貴金属関連事業では主力顧客である半導体・電子部品業界の生産が回復基調であり、国内外での拠点強化や新規需要開拓などの施策も奏功する。会社見通しはやや保守的な印象が強く、上振れ余地があるだろう。
5月12日に発表した自己株式取得(取得株式総数の上限8万株、取得価額総額の上限1億円、取得期間14年5月13日〜6月6日)については、6月6日で終了した。期間内の取得株式総数は8万株、取得価額総額は9438万4000円となった。
株価の動きを見ると、5月19日の年初来安値1117円から切り返しの展開となり、5月27日には終値で1200円台を回復した。その後は1200円台前半でモミ合う展開だが、6月20日には1263円まで上値を伸ばす場面があり、徐々に水準を切り上げている。戻り歩調の展開だろう。
6月30日の終値1254円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS121円62銭で算出)は10〜11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間24円で算出)は1.9%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1778円38銭で算出)は0.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて、26週移動平均線も突破の動きを強めている。また日足チャートで見ると、25日移動平均線が接近して再動意のタイミングのようだ。5月19日安値で底打ちして強基調に転換した形であり、低PBRも支援材料となって出直り展開だろう。
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2014年07月01日
【アナリスト水田雅展の銘柄分析】松田産業は5月安値で底打ちして戻り歩調、低PBRも支援材料
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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:53
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