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2014年07月15日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティー・ワイ・オーは7月期末一括で3%台の高配当利回りに注目

 TV−CM制作大手のティー・ワイ・オー<4358>(東1)の株価は、5月19日の直近安値155円から反発して戻り歩調の展開だ。7月3日から8日には4日連続で戻り高値194円を付けて、1月高値209円に接近している。強基調への転換を確認して先高感を強める形であり、1月高値209円を試す展開だろう。7月期末一括で3%台の高配当利回りにも注目だ。

 TV−CM事業(広告代理店向けのTV−CM企画・制作およびポスト・プロダクション業務)を主力として、マーケティング・コミュニケーション事業(広告主向けWEB広告およびプロモーションメディア広告の企画・制作、クロスメディア広告業務)、その他事業(アニメーションおよびミュージックビデオの企画・制作など)も展開している。財務面では今期(14年7月期)末の実質無借金の達成が視野に入っている。

 13年9月に発表した新中期経営計画では、目標数値として16年7月期売上高320億円、営業利益21億50百万円を掲げ、株主還元として配当性向25%以上と株主優待の継続的実施の方針を示している。海外展開は「ASEAN+インド」でのクリエイティブ企業のネットワーク構築を目指し、現地の独立系エージェンシーに対するM&Aを検討しているようだ。

 今期(14年7月期)の連結業績見通し(13年9月12日公表)は売上高が前期比6.0%増の265億円、営業利益が同13.8%増の17億円、経常利益が同10.8%増の15億40百万円、純利益が同10.1%増の8億90百万円で、配当予想は同3円増配の年間6円(期末一括=普通配当3円+上場市場変更記念配当3円)としている。

 TV−CM事業は自動車、電気・情報通信、飲料、衣料業界向けを中心に好調が続いている。案件単価が堅調に推移して、大型案件や大口広告主からの直接受注も増加傾向のようだ。コスト面では利益管理を徹底して売上原価と販管費の削減を強化し、人件費の先行投資一巡も寄与する。営業外での市場変更関連・株式売出し関連費用などを吸収して増収増益見込みだ。

 第3四半期累計(13年8月〜14年4月)は前年同期比6.5%増収、同6.9%営業増益、同0.1%経常増益、35.8%最終減益だった。経常利益は営業外費用でのシンジケートローン契約締結による一時的費用の計上、純利益は特別損失での貸倒引当金繰入額の発生や法人税等の増加が影響したが、通期見通しに対する進捗率は売上高が72.4%、営業利益が73.4%、経常利益が69.1%、純利益が45.6%と概ね順調な水準である。主力のTV−CM事業が好調に推移し、マーケティング・コミュニケーション事業の収益改善も期待される。

 広告市場は拡大基調であり、国内のTV−CM制作業界では当社を含む大手制作3社による寡占化傾向を強めているようだ。景気回復や20年東京夏季五輪開催も追い風となり、事業環境は中期的に良好だろう。

 株価の動き(13年10月25日付でJASDAQ市場から東証2部市場に市場変更、14年1月30日付で東証2部市場から東証1部市場に指定替え)を見ると、5月19日の直近安値155円から反発して戻り歩調の展開だ。7月3日から8日には4日連続で戻り高値194円を付けて、1月高値209円に接近している。今期増収増益見通しを評価する動きだろう。

 7月14日の終値187円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS14円90銭で算出)は12〜13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間6円で算出)は3.2%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS70円01銭で算出)は2.7倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。強基調への転換を確認して先高感を強める形だ。7月期末一括で3%台の高配当利回りも注目点であり、1月高値209円を試す展開だろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:24 | アナリスト水田雅展の銘柄分析