投資用マンション企画・販売の陽光都市開発<8946>(JQS)の株価は、150円〜170円近辺でのモミ合い展開から上放れて急動意の展開となり、7月28日には247円まで上伸した。今期(14年12月期)の収益改善、財務基盤強化、中期成長に向けた積極投資を評価して1月高値270円を目指す展開だろう。
投資用マンション「グリフィンシリーズ」の企画・販売事業を縮小し、不動産管理・賃貸・仲介事業のストック型フィービジネスへの事業構造転換で収益基盤を強化している。13年8月にアパマンショップホールディングス<8889>の子会社アパマンショップネットワークとFC加盟契約を締結し、13年10月にストライダーズ<9816>と資本業務提携した。
14年1月には、徳威企業発展有限公司(上海)およびストライダーズによる当社新株予約権行使で自己資本比率が大幅に改善した。今期(14年12月期)第1四半期末(14年3月末)の自己資本は6億66百万円、自己資本比率は25.9%、1株当たり純資産(BPS)は55円33銭となり、前期末(13年12月末)の自己資本1億90百万円、自己資本比率9.0%、BPS19円92銭に対して財務基盤が大幅に改善した。財務基盤強化によってM&Aの積極化や不動産販売事業の再構築も目指している。
中国における不動産関連事業に関しては、14年2月に柏雅資本集団控股有限公司(香港柏雅)の連結子会社化が完了し、香港柏雅の子会社および孫会社である柏雅酒店管理(上海)有限公司(酒店管理)および上海柏雅投資管理有限公司(投資管理)も合わせて3社(ベルグラビアグループ)を連結化した。酒店管理はサービスアパートメントの運営・管理コンサルティング、投資管理はサービスアパートメントをサブリース管理方式でオーナーから賃借して運営管理している。
なお14年6月には、ベルグラビアグループ3社のうち上海柏雅投資管理有限公司(投資管理)の全株式を、中国の深圳市花様年物業服務有限公司に譲渡した。ベルグラビアグループについては今後、コンサルティング管理方式での受託を増やして収益を向上させる方針とした。そして7月29日には、上海市など中国の主要都市においてワンルームマンション賃貸事業を展開するため、柏雅資本集団控股有限公司(香港柏雅)の子会社(当社孫会社)となる陽光智寓(香港)公寓管理有限公司(陽光智寓)を設立すると発表した。陽光智寓は今後、活動拠点となる上海市において新規事業の実務を行うことを目的とした新会社を設立する予定だ。
今期(14年12月期)の連結業績見通し(2月28日公表)は売上高が前期比67.1%増の17億60百万円、営業利益が同22.6%増の1億29百万円、経常利益が同66.0%増の1億円、純利益が同62.8%増の90百万円としている。不動産販売事業での投資用マンション1棟引き渡しが牽引し、不動産管理事業の着実な拡大や新規連結のベルグラビアグループ2社も寄与する。
第1四半期(1月〜3月)は前年同期比2.2倍増収、74.8%営業増益となって収益改善の動きを鮮明にした。さらに通期見通しに対する進捗率は売上高が32.0%、営業利益が46.5%、経常利益が50.0%、純利益が51.1%と高水準だったため、通期上振れの可能性が高いだろう。なお上海柏雅投資管理有限公司(投資管理)の全株式譲渡によって特別利益の計上、のれん償却費用計上の見直しが見込まれるが、連結会計処理の精査が完了し、開示が必要であると判断された場合には速やかに開示するとしている。
6月27日には、香港の投資会社Hong Kong Wealthy Future Investment、およびストライダーズを割当予定先とする第三者割当による第3回新株予約権の発行を発表した。新株予約権の総数は25個(250万株)(発行済株式総数に対する割合20.74%)で、行使価格は152円である。そして7月14日には、割当先からの新株予約権の発行価額全額(450万円)の払込み手続きが完了したと発表している。
調達資金(差引手取概算額)3億77百万円は、新規事業の中国でのワンルームマンション賃貸事業への投資に充当する。中国・上海およびその周辺都市の中古オフィス、工場施設など現在未使用の物件を長期契約(10年程度)で借り上げ、ワンルームマンションへの改装・内装工事を実施後に、主として若年層向けに賃貸する。今期の下期に事業を開始する予定で、年間1棟ペースで物件借り上げ契約を進める方針だ。
株価の動きを見ると、150円〜170円近辺でのモミ合い展開から上放れて急動意の展開となり、7月17日に240円、7月28日には247円まで上伸した。今期の営業損益改善、財務基盤強化、そして中期成長に向けた積極投資を評価する動きだろう。
8月1日の終値220円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS7円50銭で算出)は29倍近辺、実績PBR(14年12月期第1四半期実績の連結BPS55円33銭で算出)は4.0倍近辺である。日足チャートで見ると目先的な過熱感を残しているが、週足チャートで見るとモミ合いから上放れて強基調に転換した形であり、13週移動平均線がサポートラインとなりそうだ。1月の年初来高値270円を目指す展開だろう。
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2014年08月04日