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2014年08月20日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ビー・エム・エルは今期利益見通し減額修正で急落だが、売り一巡して反発のタイミング

 受託臨床検査大手のビー・エム・エル<4694>(東1)の株価は、8月1日に4175円まで上値を伸ばして3800円〜4000円近辺のモミ合いから上放れる展開だったが、8月14日に発表した今期利益見通しの減額修正がネガティブサプライズとなって急落した。8月19日には3450円まで調整する場面があった。ただし売られ過ぎ感も強めている。売りが一巡して反発のタイミングだろう。

 臨床検査事業を主力として、腸内細菌検査や食品衛生コンサルティングなどの食品衛生検査事業、電子カルテなどの医療情報システム事業、そしてSMO(治験支援)事業も展開している。

 事業基盤強化と収益力向上に向けてM&Aの積極活用、臨床検査事業でのクリニック市場の開拓、既存ユーザーへの深耕営業、首都圏のラボ拠点再編・整備、ピロリ菌関連検査やアレルギー検査など重点検査項目の拡販、子会社の経営合理化、食品衛生事業での腸内細菌検査やノロウイルス検査などの拡販、新検査センター開設(14年5月、埼玉県川越市)に伴う検査領域・検査数量の拡大、厚生労働省の「登録検査機関」の資格取得、医療情報システム事業での電子カルテ「クオリス」のブランド向上などを推進している。

 13年12月には中国・上海における合弁会社(上海千麦博米楽医学検験所有限公司)の設立を発表した。現地で臨床検査センター運営の実績を持つ上海千麦医療投資管理有限公司、および上海新虹橋国際医学中心建設発展有限公司と3社合弁で、中国でも臨床検査受託事業を展開する。また14年6月には岡山医学検査センター(岡山県倉敷市)の全株式を取得して連結子会社化した。一方で、イーエムシステムズ<4820>との共同開発会社メデファクトを解散した。電子カルテシステムの開発を目的として10年2月に設立したが、所期の目的を達成したとしている。

 8月14日に発表した今期(15年3月期)第1四半期(4月〜6月)の連結業績は、売上高が前年同期比5.8%増の266億93百万円と増収だったが、営業利益は同12.0%減の22億61百万円、経常利益は同12.5%減の23億77百万円、純利益は同3.7%減の15億24百万円と減益だった。

 事業別売上高は、主力の臨床検査事業が同5.2%増の246億38百万円だった。クリニック市場の開拓強化、既存ユーザーへの深耕営業、岡山医学検査センターの新規連結などが寄与した。その他検査事業は、食品衛生事業に岡山医学検査センターの売上が加わったことも寄与して同7.0%増の8億46百万円だった。医療情報システム事業は消費増税前の駆け込み需要の反動で同10.7%減の8億64百万円だった。その他事業はSMO事業のアレグロが苦戦したが、岡山医学検査センターの調剤薬局事業の売上が加わり同8.1倍の3億43百万円だった。

 8月14日に今期第2四半期累計(4月〜9月)見通し、および通期見通しの修正を発表した。いずれも売上高を増額し、利益を減額した。

 通期連結業績見通しは売上高を33億50百万円増額して前期比5.4%増の1043億50百万円、営業利益を15億50百万円減額して同18.8%減の66億50百万円、経常利益を14億50百万円減額して同17.9%減の70億50百万円、そして純利益を10億90百万円減額して同23.6%減の38億10百万円とした。岡山医学検査センターの新規連結で売上高を増額したが、岡山医学検査センターの株式取得に係るのれんの負担増に加えて、第1四半期の事業環境を踏まえて見直したとしている。診療報酬改定の影響もあり、競争が一段と激化しているようだ。

 配当予想は前回予想を据え置いた。記念配当10円を実施して同10円増配の年間60円(第2四半期末25円、期末35円)(期末35円=普通配当25円+記念配当10円)としている。

 株価の動きを見ると、7月17日に4075円を付けて5月高値4070円を突破し、8月1日に4175円まで上値を伸ばした。3800円〜4000円近辺のモミ合いから上放れる展開だったが、8月14日に発表した今期利益見通しの減額修正がネガティブサプライズとなって急落した。8月19日には3450円まで調整する場面があった。ただし売られ過ぎ感も強めている。

 8月19日の終値3475円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS179円39銭で算出)は19〜20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.7%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS2598円60銭で算出)は1.3倍近辺である。週足チャートで見ると一気に52週移動平均線近辺まで調整したが、日足チャートで見ると25日移動平均線に対するマイナス乖離率が13%程度まで拡大して売られ過ぎ感を強めている。売りが一巡して反発のタイミングだろう。

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提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:34 | アナリスト銘柄分析