株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

株式投資情報動画配信 日本インタビュ新聞社 - You Tube

2014年08月22日

【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アライドテレシスHDは調整局面だが、営業損益改善を評価して反発のタイミング

 ネットワーク機器製造・販売のアライドテレシスホールディングス<6835>(東2)の株価は、7月の戻り高値94円から反落し、8月8日と11日には全般地合い悪化も影響して80円まで調整した。ただし5月安値76円水準まで下押す動きは見られず、第2四半期累計(1月〜6月)業績発表後は下げ渋り感を強めている。営業損益改善を評価して反発のタイミングだろう。

 世界23カ国・40連結子会社を統括する純粋持株会社である。グループでネットワーク関連機器およびソリューションの企画・開発・製造・販売・保守事業などを展開している。

 8月11日発表の今期(14年12月期)第2四半期累計(1月〜6月)連結業績は、売上高が前年同期比10.8%増の139億13百万円、営業利益が14億57百万円の赤字(前年同期は23億01百万円の赤字)、経常利益が19億96百万円の赤字(同10億17百万円の赤字)、純利益が20億55百万円の赤字(同10億16百万円の赤字)だった。

 売上高、利益とも期初計画を下回ったが、日本および米州での販売が好調に推移して2桁増収となり、増収効果と売上総利益率上昇で営業利益の赤字幅が縮小した。ただし営業外費用での外貨建て資産に係る為替差損の計上で経常利益と純利益は赤字幅が拡大した。

 所在地別の売上高を見ると、日本は製造業や医療機関向けが好調に推移して同12.9%増の67億19百万円、米州は米国の公共予算復活が寄与して同18.5%増の30億29百万円、EMEA(欧州・中東・アフリカ)は価格競争激化などで伸び悩み同0.3%増の28億65百万円、アジア・オセアニアはタイが政情不安で減速したがニュージーランド教育省の継続案件などが寄与して同9.1%増の12億98百万円だった。

 通期の連結業績見通しは前回予想(2月12日公表)を据え置いて売上高が前期比14.6%増の343億円、営業利益が7億円(前期は12億84百万円の赤字)、経常利益が同27.8%減の5億50百万円、純利益が同4.8%増の1億円で、配当予想は同1円減配の年間2円(期末一括)としている。

 想定為替レートは1米ドル=105円で、ソリューション販売の強化と付加価値サービスの拡充、米国における政府系案件の受注増加、中南米における新規顧客開拓、アジア・オセアニアにおけるパナソニック<6752>とのパートナーシップによる監視カメラソリューションの提供、国内におけるIT関連投資の需要増加、円安に伴う国内販売価格の改定、在庫の適正化、さらに社内ITインフラ投資一巡による経費削減効果などで、営業損益の大幅改善を見込んでいる。

 株価の動きを見ると、5月21日安値76円から7月4日94円まで切り返したが、反落して再び水準を切り下げた。8月8日と11日には全般地合い悪化も影響して80円まで調整する場面があった。ただし5月安値水準まで下押す動きは見られず、第2四半期累計業績発表後は下げ渋り感を強めている。営業損益改善を評価する動きだろう。

 8月21日の終値83円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想連結EPS87銭で算出)は95倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間2円で算出)は2.4%近辺、前期実績PBR(前期実績連結BPS94円16銭で算出)は0.9倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線および26週移動平均線近辺で下げ渋る動きだ。短期調整が一巡して反発のタイミングだろう。

>>アライドテレシスホールディングスのMedia−IR企業情報

◎日刊株式投資情報新聞(無料)登録受付中!


提供 日本インタビュ新聞社 Media-IR at 07:35 | アナリスト銘柄分析