
米系調査会社のフロスト&サリバンは、2020年のリチウムイオン電池の部材市場が13年の20倍の76億ドル(約7900億円)に膨らむと観測しており、リチウムイオン電池などの原材料を手がける同社が注目される。
同社の主な事業は、ヨウ素、金属化合物、天然ガス。そのほか、リサイクルも積極的に取り組んでいる。足元の業績は、今12月期第2四半期売上高83億4400万円(前年同期比8.7%増)、営業利益17億1900万円(同2.1%増)、経常利益17億2700万円(同1.4%増)、純利益10億2400万円(同1.2%減)に着地。主力のヨウ素製品の販売が増加したほか、米国子会社において第1四半期に実施した設備修繕が完了し、生産活動に寄与した。
通期業績予想は売上高170億円(前期比6.9%増)、営業利益33億円(同3.1%減)、経常利益33億円(同4.1%減)、純利益20億円(同2.8%減)を見込んでいる。主力のヨウ素製品の販売は当初予想を上回り堅調に推移しているものの、金属化合物事業は出荷量が減少しているため、小幅減益を予想しているが、年間配当は18円(同1円増)と増配を予定している。
株価は、レンジ上限として意識される6月24日高値739円を一時上回り740円と買われており、モミ合い上放れが期待出来る状況。同社が手がけるニッケル、コバルトといった金属化合物は、リチウムイオン電池の原材料として需要の拡大が見込まれる。今期予想PER9倍台、PBR0.87倍と割安感があるほか、配当利回り2.4%と利回り妙味がソコソコあることも下支えしており、本格リバウンド相場となるか注目したい。年初来高値915円(1月23日)の奪回は十分に期待できそうだ。(N)
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